ゲームの想い出ノート

ゲームはクリアしたらほぼ手放してしまいますが、ゲームの想い出が薄れていくのは寂しいものがあります。このブログはゲームの想い出が風化する前に形に残したいと考え、綴ったものです。評価やプレイ日記というより、あくまで想い出なので記述内容に偏りや、想い出補正があります(特に昔プレイした作品)。ゲーム攻略の参考にはなりません。注釈無くネタバレもありますので、ご注意下さい。

Chaos;Head NoaH その1(PS3・2012)

・「三次元に興味はないよ」

by西條拓巳。

これがカオスヘッドの主人公である彼の代名詞でありスタンス。

科学アドベンチャーシリーズの第1弾であるカオスヘッド

私はPS3を持ってなくて、本作をリアルタイムでプレイすることはありませんでした。

でも、アニメは観ました。

正直、あんまり正確な内容は覚えていないのですが、

主人公・西條拓巳のおぞましい程のキモオタぶりと、いつまでも主人公として主体的に行動せずヘタレで、ひたすらただのキモオタであり続ける所にとにかくイライラした記憶があります。

もちろんしっかり主人公らしく覚醒する所もあり、そこは良かったと思うのですが、

何もかも遅い!

のちの科学アドベンチャーシリーズの主人公達が、基本的にはオタクで社交性に乏しく、独善的に振る舞っているけど、実は仲間思いで情に熱くかなり好ましい人格になっているのは、ひとえに本作の大半で見受けられる拓巳のキャラクターがあまりにも不評だったからではないか、と邪推してしまうほどです。

でもまあ、良くも悪くも突き抜けていて、キャラクターは立ってますよね。

 

・第一章『Eyes in eyes』

最初にプロローグが始まります。

そこは崩壊し、冷たい雨が降る渋谷の街。

倒れている少年は体を動かすことが出来ません。

そこへピンクのロングヘアーの女の子が現れます。

彼女はどこからともなくファンタジー世界のゲームにでも出てきそうな剣を取り出し、

少年に歩みより、

彼に口づけし優しくゆっくりと彼を殺していきます。

少年は、どんより曇った空を見つめながら、

青空を思い浮かべ、

僕たちのあの空は何処へいってしまったんだろうなどと考えるのでした。

…いや…知りませんけど。

吉野さんのボイス付きであるため、遂ゆっくり聴いてしまいましたが、じっくりと描写されたその終末感溢れる光景。

…なんですっけ?これって…。

正直全く覚えてない…拓巳の顔を見て、あれ、拓巳って眼鏡嵌めてなかったっけ?って驚いたレベルなので、本気で何も覚えていません。

まあそれくらい初見感覚で見た方が良いか。

さて。

このプロローグはたぶんゲーム終盤に訪れる光景ということで、

早速第一章が始まります。

主人公・西條拓巳は物心ついた時からどこからか視線を感じる事がありました。

神様が自分の事を見つめてくれているのだろう…そんな事を子供の頃、本気で考えていた彼は当時作文でも、それをテーマに書いていました。

『その目誰の目?』と。

高校生になった今となっては、神様なんて中二病じゃあるまいし、痛々しいことこの上ないよ。視線恐怖症なのかなと彼は考えていました。

この視線は17歳となった今もなお感じています…だから天井に向かって呟いてみます。

「僕を見るな」と。

後ろにもどこにも…暗く、ゴミが散乱した狭い部屋は、パソコンと、陳列された大量の美少女フィギュア。主がオタク全開なのが伺えますが、その部屋には彼以外に誰もいません。

ここは彼の部屋。

窓一つないその部屋は明かりらしい明かりもなくとても暗いです。

なぜならここはとあるビルの屋上にあるコンテナハウス。

彼はここを格安で借りて一人暮らししているのです。

彼は視線の相手に話すかのごとく、部屋の隅の暗闇に向かって、声に出し己の事を話し始めます。

翠明学園に通う2年生。17歳。

とはいえ学校にはほとんど通ってない。だが定期テストはちゃんと受け、成績は上位。

彼は更に住んでいる街のことを呟き始めます。

ここは渋谷。

アキバ系である彼に言わせればここは完全にアウェイであり、環境は最悪。オンラインゲーム『エンスー』で例えるならディーンズヴァレーくらいひどいそうです。いや知らんがな。

DQN恋愛資本主義者が集まるこんな街は、即刻滅ぶべき」と断言する彼は、明らかに非リア充であることは明白です。

そんな街にある彼のコンテナハウス内の住み心地はまあまあで、PCとネット環境は最高水準クラスを揃えており、上等の基地であるそうです。

なので彼はこの部屋をベースと呼んでいます。

部屋の中はとても煩雑、淀んだ空気を肌で感じます。ベッド上にはエロゲのパッケージが積み上げられ、おかげでいつも彼はソファーで寝ています。

汚い部屋だとは自覚していて、「片付けろよなー誰だよ散らかしたの…って僕か」と一人で言い、

とどめに「ふひひ」と笑います。

うへぇー…こいつ本当に本当に気持ち悪いぞ…。吉野さんじゃなかったらぶん投げてる…いや吉野さんがここまで気持ち悪く仕上げてきたのか?

汚い部屋には大量の美少女フィギュアが陳列されているのですが、この陳列棚だけは綺麗に手入れして整頓されています。

なにせ彼女達は拓巳を癒してくれる、100人超の彼の嫁と姉や娘達…。

一番可愛く見える角度、立ち位置を日々研究し、埃まみれになど出来ないから、身体を拭いてあげることも欠かすわけにはいきません。

彼はPCの脇に置いたお気に入りの美少女フィギュア『星来たん』としばらく見つめあい、話しかけます。

「星来かわいいよ星来」

………。

おえぇ…これは想像以上にきついぞ。

助けて、拓留に会いたい…。

恐ろしいことに私も拓巳サイドの人間であるがゆえに、見れば見るほど彼の清々しいまでのキモオタぶりに、何かこう何とも言えない自己嫌悪というか、いや私はここまでキモく無いはずだ…そんな馬鹿な…という複雑な気持ちを抱かせるのです。

吉野さんの完全に振り切った声の演技がこれまた恐ろしいまでの破壊力を加える。

それが西條拓巳。

特にどもり演技が秀逸過ぎで、

三次元相手には、男も女も関係なく、果ては家族である妹相手でも、拓巳は緊張してどもってしまうのですが、

まじで、演技力の無駄遣いだと言いたくなる事請け合いの抜群のどもり具合です。

オタクキャラを演じた経験がある声優さんは数いれど、

ここまで力一杯、聞いているだけでげっそりするキモオタ演技をする声優さんはそう多くはいないのではないでしょうか。

なお、私はアニメ版カオヘを観て以降、吉野裕行さんの名前が脳裏にカレル文字の如く刻まれてしまい、忘れる事が出来なくなり、CDをいそいそと買ってしまうほどの吉野さんファンです。

…原典となるカオヘをプレイできて嬉しいですよ!PSnowありがとうございます!(白目)

さて。

ひとしきりプレイヤーを苦しませたあとは、彼のライフワーク…エンスーのプレイです。

エンスー内での彼はトップランクのプレイヤーです。彼が操るパラディンのナイトハルトは、レベルはマックスの50。

『疾風迅雷のナイトハルト』という通り名でほとんどのプレイヤーに通じてしまうほど。神扱いです。

拓巳はRMTで小遣い稼ぎをしており、その稼ぎでバイトなどしなくても生きていけてますし、チャットは大得意。『@ちゃんねる』(現実でいう2ちゃん)では人助けをして、祭りにも参加して。フレパラというSNSでのマイフレンドも100人超。つまりオタ充です。

学校には行く意味がないから行かず、勉強はネットを駆使して家で充分行える。卒業するに必要最低限な日数のみ登校する。

そのため彼は『最低登校シフト表』を作成し、それに沿って登校していました。

このような西條拓巳の人となりや生活環境描写が終わった後、

物語が始まります。

エンスー仲間のグリムとのチャット。

彼はグリム相手に、

スク水についての持論を展開します…スク水には眼鏡、胸には名札、そして紺色でなくては云々…。もうやだこいつ…。

ちなみにこれらはプレイヤーがイエスノーで選択する事が出来ます…もうやだこのゲーム。

こういうキモオタなノリについてけないとカオヘは心が折れてしまいます。ソウルシリーズとは別な意味でプレイヤーの心を折りにくる!

グリムとのチャット中、突然『将軍』なる人物がチャットルームに入ってきます。

マナーとして挨拶するグリムと拓巳ですが、何も応答しない将軍の事は無視して、

グリムと拓巳はチャットを再開。

それは今、渋谷で起こっている、連続不可解事件の話。

『ニュージェネレーションの狂気』。

連日ネットでも騒がれているのになぜか知らない拓巳。ネット界隈に強いだろうに…。

でも素直に知らないことを認め、

調べてみると、ニュージェネ事件は今のところ2つ。

全然自殺する動機が見当たらない5名による高層ビルからの飛び降り集団自殺事件。

もう一つは、男性の体内から胎児が出てきたというもの。

いずれも胎児含め全員亡くなっている。

ざっと調べてグリムに「見たけど、別に興味ない」と返すと、

グリムは被害者の死体画像のURLを貼り付けます。

えっ…と思いながらも見ると、それはへったくそなイラスト。

二人笑ったところで、グリムはログアウトします。

チャットルームには拓巳と将軍の二人。

…こいつまだいたのか…ま、どうでも良いや。

お、もうすぐブラチューの放映時間。星来たんに会えるぞニヤニヤ…と、さりげなくキモオタぶりを披露しつつ、星来たんとの約束の時間(まじでこいつは何を言っているんだ)の前にトイレでも行こうとする拓巳。

その時。将軍が突然、画像リンクを貼ります。

えっ…と思っていると、相手は普通にチャットを始めます。仕方なく応じる拓巳。

何を考えているか判らない不審者ですが、

そんな相手ともうまく繰り広げるチャット内容。拓巳はやはりオタ充だけあってチャットのコミュニケーション能力はかなりあります。

将軍は、渋谷での不可解事件はまだ起こると言い、謎の公式を打ち込みます。

頭が良い拓巳でも見たことがないし、ネットで検索してもヒットしない謎の公式。

「この公式によって世界の可能性は殺されてしまった」とのこと。

拓巳はなんだこいつ…と思いながらも、そういえばさっきの画像って何?見た方が良いやつ?と話を切り替えます。

すると将軍は興味あるかと思ってと言い、

ずらずらと画像リンクを貼ります。

拓巳は動揺して、図らずも画像の一つをクリックしてしまい…。

「?」

それは一見なんだか判らないものでした。

壁に十字架型に貼り付けられた剣山みたいなもの。その下に赤黒い色の水溜まり…なんかのオブジェにしか見えません。

でも妙に生々しく血の匂いすら漂ってきそうなそれ。

なんだか得体の知れない…しかし何かおぞましいものを見せられ、激しく動揺しつつも拓巳はマウスを操作して、画像をなんとか閉じます。

するとおもむろに将軍が「その目誰の目」と書き込むのでした。

自分しか知らないはずの言葉をなぜ?

結局、その後ブラチューのオンエアを見逃してしまった拓巳。もちろんネットにあげられたのを観たため問題は無いのですが気分は晴れない。 

そして翌朝は、登校しなくてはならない日でした。

誰も話しかけるなよ、どうせ僕のことキモいって思ってるんだろ、お前達三次元女の方がよっぽどキモいよ、僕を認識するなよ…などと、

見ているプレイヤーもうんざりするほどの、ただならぬネガティブキモオタオーラをまとって登校…ちなみに彼の1つ下の妹・七海もここに通っています。

彼女は数駅離れた実家から登校しているそうな。

教室に入り自分の席で俯いていると、

クラスメイトの三住大輔が話しかけてきました。端正な顔立ち、人懐っこい笑顔。明らかに見た目からして拓巳とは別の世界に住んでいるとしか思えない彼は、

女好きであり、常に同時にたくさんの女性と付き合っているという、典型的なチャラいパリピリア充

どう考えても拓巳が関わりたくないタイプの人間なのですが、彼はクラスでただ一人、拓巳を「タク」などと呼び、親しげに話しかけてくるのです。

タク…だと?!

男の子からもタク呼びされてたのか拓巳は…。

なぜ三住がいつも親しげに自分に話しかけてくれるのか、拓巳には訳が判りませんでしたが、

彼は拓巳の趣味を把握していてもキモいなどと馬鹿にせず、普通に接してくれます。

だから拓巳も彼が悪い奴では無いと感じ、なんとなく三住とは会話できてました。

三住はひとしきりクラスの女をまた一人落としたなどと、拓巳が本気で興味ない話題を終えた後、

おもむろにニュージェネの話をし始めます。

2つ目は明らかに猟奇殺人ですが、

1つ目の集団自殺事件も殺人の可能性がある。つまり犯人が存在するらしいと話します。

三住は犯人が女であり、しかもかなり美人だという目撃証言がある、と告げます。

彼はその美人殺人鬼に会いたいそうです。

美人だからって、殺人鬼ですよ?

どんな思考回路してるんでしょうか。

殺人現場を見に行かないか?という三住に、さっさと帰ってエンスーしたい拓巳は、

興味ないと断ろうとします。

するとノイズ音が入り始め、画面の左右が黒くなりました。

かなり不気味な演出ですが…。

あ、これ、妄想トリガーかな。

でも初回は全部妄想無しで進もうと思ってます。

ふと。黒板に書いてあった文字が気になり、それを見て拓巳は驚きます。

そこにはなぜか「その目だれの目?」と書かれていました。

誰も知らないはずの自分だけの言葉。

誰がそれを書いたのか?

クラスの誰かのはずですが、まさか一人一人尋ねて回ることなど出来るはずがありません。

放課後。

ネカフェでナイトハルトではない別アカウントでエンスーをのんびりプレイして息抜きし、

夜、帰途につこうとする拓巳。

いつもの帰り道。薄汚れた人気の無い路地。

でもなにか得体の知れない不穏な空気。

例の視線も感じる。

不審なカキンカキンという音が聞こえてきて、道一杯に十字の杭のようなものを発見し、

怖いけど、気になってその音の聞こえる現場を覗きに行くと、

そこには剣山みたいに壁から無数に杭が突き出した、どこかで見た事あるオブジェ。

杭の剣山からは大量の赤い血が流れています。

なんだかよく判らない剣山のオブジェが、壁に杭で磔にされた人間の死体だったとようやく認識した拓巳。

そして、それの前に立つ、真っ赤に血濡れた手に杭の束を握りしめた一人の少女。

彼女は翠明の制服を着ています…。

その時彼は、このオブジェを以前どこで見たか思いだし、

「あの時の将軍のリンク写真!」と声に出してしまいます…なぜ声に出す…ていうかこの状況でよく声が出ましたね…。

案の定、少女はぴくりと肩を動かし、そしてゆっくりと拓巳の方を振り返ります…振り返って拓巳の方を見つめる少女の表情は無で、返り血に濡れています。

その目は、ぼんやりしていて、とても暗い目をしていましたが…彼女は拓巳を見て、すぐ目を丸くすると、泣き笑いのような表情を浮かべ、

なぜか「よかった…」と呟きます。

全く意味が判りません。

もともと実在の女性の目を見れない拓巳ですが、ゾッとして目をそらします。

…ともかく、こんな陰惨な殺人事件の現場に立っている殺人鬼…すぐ警察が御用するだろう…と楽観的に考える拓巳。

帰ろう…。

いやあんた帰ろうじゃなくて、まず通報しなきゃでしょ…。

帰ろうとする拓巳に彼女ははっきりと「タク」と呼びかけます。ビビりまくる拓巳。名乗ってないのになぜ…。

彼女は自身の見た目のヤバさに気付かないのか「あなたに会いたかった」と続けます…いやなんなんだまじで…怖すぎる…。

一応、アニメ視聴済のプレイヤーですら、ちょっとこの女怖いなと思っているのに、

なにも知らない拓巳にはこれはきつすぎるでしょう。

案の定、恐怖心の限度を越え、拓巳は悲鳴をあげ一目散に逃げ出しました。

ベースに逃げ帰り、

まだ現場を把握する前に、何気なく拾っていた十字の杭を、そのまま握り締めて持って帰ってきてしまっていたことに動揺し、

恐怖に怯えながらも、状況を整理する拓巳。

将軍が送ってきた画像は、この磔事件のいわゆる予告メッセージだった…将軍イコールさっきの少女ということなのか?

ナイトハルトが拓巳だと知っていて、だからタクと呼んだのか?

でも、一体どこからどうやってそれを知ったのか?

ていうか知られているのならここもバレていて、殺しにやってくるのも時間の問題?

死にたくない死にたくない…口に出して叫んでいると、

突然、星来が優しく元気に「だいじょうぶ」と声をかけてくれます。

ここに引きこもってたら、あの悪魔女だって手出しは出来ないと。

拓巳はそれに耳を傾け、

そうかも知れない…さすが僕の嫁、良いことを言うと安堵します。

…いやいや、ていうか星来が喋ってる妄想でしょ?

拓巳は、スッと星来の腰を掴み、顔を近付けます。彼女は嫌な顔ひとつしません…いやフィギュアだからだよ?

「三次元は全てを警戒し、信用しない。そして引きこもってエンスーしてアニメを観る。これで大丈夫だ」と拓巳は納得します。

えっ…なにが大丈夫なの…?

「とにかく油断は禁物だゾ!」

と、星来たん(幻聴)。

「星来にそこまで心配してもらえて、僕は幸せだなあ、ふひひ」

………げぼっ…。

これ、本当に全力で心折りにきますね…。序盤をなんとか乗り切らないと…。

と私は思っていましたが、序盤どころか中盤に入っても彼のキモさは留まるところを知りません。あしからず。

拓巳は気分直しにエンスーを始めます。

シナリオはプレイヤーの気分直しに、シーンをガラッと切り替えてくれました。

場所は深夜の宮下公園。…拓留がカオチャで住んでる公園ですよね…まじで拓留に会いたいよ…。

澄んだ歌声が響いています。

歌っている少女は世間ではFESと呼ばれている少女。FES…岸本あやせですよね。

彼女の事はよく知ってますよ、なにせシュタゲの方でもちょろちょろ彼女がボーカルしているファンタズムの歌は耳に入ってましたので。

彼女は歌を歌い…そして最後に「その目誰の目?」と呟きます。

プレイヤーのお耳直しが済んだところで、

視点は拓巳氏に戻ります。

彼はとにかくひたすらエンスーに没頭し、

探し求めていた超レアアイテムを入手し悦に入ってました。

テンションが上がりまくって、彼はそのレアアイテムがいかにレアであるかについて、誰も頼んでいないのに詳細に解説してくれるのですが、

プレイヤーは良いから、さっきから聞こえるノック音と呼びかけに答えてやれよ…と思うのでした。

そう。さっきから「おにぃ、開けろー」と言いながらコンコンとノックの音が聞こえています。

可愛らしい女の子の声。それは妹の七海の声です。

拓巳は面倒くさく思いつつも、中に迎え入れます。

西條七海。

カオヘで一番人気のヒロインです。

西條氏からは、

『ちんまい幼児体型で、くそ生意気でションベン臭い妹』という、ひどいにも程がある人物描写をされてますが、

元気一杯、愛らしい弾ける笑顔を浮かべた、ブラコンで可愛い、お手本のような妹ロリキャラです。

拓巳も二次元の妹系ロリキャラは充分いける口みたいですが、実の妹には全くハァハァしないそうです。

なお、家族である妹相手にも、もごもごとどもる拓巳…これは酷い。

拓巳の飲みかけのコーラを飲む七海。

七海たんが口をつけたコーラ…ハァハァ…とは、もちろん全くならず、

ばっちぃ…これだから三次元女は…。あのコーラは七海が帰ったら捨てよう。とバッサリの拓巳。

まあ妹にやましい気持ちを抱かない、健全な心を持ったお兄ちゃんではあるのですが、描写があまりにも辛辣すぎるので、拓巳に対して引くこと請け合いです。

ところで七海ちゃんがやってきた理由は、拓巳に携帯を買わせるためでした。

いつでもすぐ連絡出来る手段を持っていて欲しいと家族みんな案じての事ですが、

拓巳的に携帯は不要です。

PCで全て事足りるし、きっと家族から電話が毎日かかってくるだけで、煩わしいだけの結果になるのは目に見えているから。

七海は、七海とお揃いの機種にしよ!ストラップも。と取り出して見せます…。

ストラップは尾上が乃々に犯人だとバレるきっかけとなったことでお馴染みの、あのゲロカエルんですよ!

素人がデザインしたとしか思えない、気の抜けたカエルのストラップを見て、

なんという手抜きキャラ…とげんなりする拓巳。

とにかく帰れ帰れの一点張りの拓巳に、七海は仕方無しに帰ることにしますが、

送っていこうという気配すら見せない拓巳に、

今、殺人事件が起こっているのに、普通、妹の身を案じてくれるのでは?と言う七海に、

どうでもいい返す拓巳。

いやあんた…つい昨日、

あんな凄惨な現場を目の当たりにしたのに、

七海、外をうろついてちゃ危ないだろ!今渋谷では殺人事件が起こってるんだぞ、とかいう発想にならないのがヤバすぎます。

あまつさえ、どうでもいいと言われて傷付き涙目になる七海の姿を見て、いい気味だなどとほざく始末。

いくら三次元女だからって、実の妹に対して思いやりが無さすぎますよ…。

泣きながら去っていった彼女に対し罪悪感も、やっぱり送っていってあげよう、と気も全く起きず、彼は平穏が戻ったと安堵し、エンスーを再開する始末。

そして、また登校する日がやってきました。

行きたくないが、最低登校シフト表に沿って登校しなくては…うんざりしつつ登校する拓巳。

途中、女の子が拓巳の様子を伺いながら尾行している気配がして、

まさか例の殺人鬼か?と一瞬動揺しますが、

眼鏡をかけていた為、別人のようだと判断する拓巳。

ていうかこの人…あれから、自分が目撃したあの事件について、どこかのメディアが言及してないかとか全く調べる素振りも見せませんでしたけど…相当自身の身が危険な状態と言えるのに、呑気にただひたすらエンスーしてたとか、いくらなんでも現実逃避しすぎでヤバいです。

いくら現場に落ちてた十字の杭を持ち帰って犯人扱いされる懸念があったとしても、通報すりゃいいのに…。

結局、拓巳を尾行している素振りを見せていた女子Aは、そのまま3年生の教室に行ってしまい、ホッとする拓巳。

学校は何事もなく終わり、

いつものようにネカフェへ。

しかし、今日パーティを組んだ奴らは素人丸出しのプレイな上に、文句ばかりを言い、拓巳を苛つかせます。彼はむしゃくしゃしていた為、PKしアイテムを一通り奪っていきました。

常に英雄らしい品行方正な振る舞いをせざるを得ないナイトハルトでは出来ないことを、

この別アカなら遠慮無く出来ます。

それはそうと、主人公がここまでクズ野郎で良いのでしょうか?プレイヤーの精神はもうボロボロです。

この後、ネカフェでも女子Aの影がちらつき、ビビって逃げるように帰ろうとする拓巳。

帰り道でも、女子Aを遠巻きに目撃し、

あまつさえその唇が「そのめだれのめ」と動いたように見えて、あわてふためき彼は道に置いてあった大型のスクーターに激突します。

もうやだよ、この主人公…。

そこへ拓巳の身を案じて声をかけてくる女子A。

拓巳はどもりながらも必死で「ついてくるな、僕に何の用だ。つきまとうな」と声をかけますが、

言いにくそうに彼女は、楠優愛だと名乗り、

「あなたの存在が一目見て気になって…」とそれで尾行をしてしまったと言い出します。

冷静になってよくよく見れば、優愛は、清楚な眼鏡っ子美少女。

拓巳は自分に好意を持っている三次元の女子…しかも美少女なんて、あり得ない。これは嘘だと思いました。

プレイヤーも全くその通りだ、と同意します。

何か裏があるに決まってるじゃないですか。

何にしろきっぱり断っておかないと、もし今後もつきまとわれたら厄介です。

三次元女相手なので極度の緊張でどもりながらも、

迷惑だつきまとうな、となんとか言い終える拓巳。

優愛は、すいませんと謝罪してしゅんとします。

拓巳はその場を去ろうとしますが、

かなり激しくぶつかり、転倒したため、あちこち痛めていた拓巳は目眩を起こしふらつきます。

優愛はそれを見て咄嗟に、手を差しのべ支えてくれ、

こうなってしまったのも元はと言えば自分がつきまとったせいだから、送らせてください、と申し出ます。

人に優しくされることに全く慣れていないし、触れる経験もほとんど無かった拓巳は、ドキドキ。

好きになりそうなどと心の中でほざきます。…おい、三次元に興味ないという設定はどこへいった。

でもこの女はストーカーだし、親切にして最後に絶望に突き落とすに違いないんだ。三次元には騙されないぞと心を静めつつ、

しかしかなり酷く全身を痛めており、歩くのもままならない状況。

優愛に肩を貸して貰い、お陰で無事にベースに帰りつく拓巳。

コンテナハウスの中にまで彼女は付き添ってくれた優愛は星来のフィギュアを見つけて、

アニメを毎週観ていると話します。

自分もヒロインの中では星来が一番好きと話す優愛。

拓巳は、僕の嫁が誉められて悪い気はしない。親切にしてやろう、と感じ、

フィギュアについて解説を始めます。

その解説内容自体はさすが見事ですが、

口にする「服の胸元部分をキャストオフできるのは今のところそれだけなんだ」のキモさたるや…。

聞いてもいないのに、他に制服バージョン、メイドバージョン、水着バージョンを持っていて、一番評価が高いのはメイドバージョンだけど、個人的には水着バージョンも悪くないよと話しだし、

もうすぐ待望の覚醒後バージョンが出る。これは全身キャストオフ可能らしいし、表情もポーズも質感も良さげとまで、どもりながらも早口で饒舌に語ります…。

助けてぇ…この主人公から逃げたい。

…好きなゲームの話をし出すと私も止まらない方ですが、嫌だ…客観的に見たら私、こんな感じなのでしょうか?

ひとしきりフィギュアの話をし、手にとって眺めて、

優愛は興味を持ったらしく、フィギュアが欲しくなったと言います。

拓巳はそれなら覚醒後バージョンを予約すると良いと言い、優愛も食いついてきます。

拓巳は遂にどもることなく、

「よく知ってますなあ、おぬし、かなりのマニアですな?」と口にします。

ヘッドホンをしていた事もあってか、

私は、背筋がぞわーっとして、冷や汗を垂らしていました…。

後は聞き上手の優愛に、アニメについてのマニアックな話を早口で淀み無くすらすらと解説する拓巳。オタクの典型ですね。

なお、アニメ話をひとしきりした後はまたどもり始めます。俺達のテンプレ…。

ひとしきり優愛と親交を深めた後、

彼女から、さっき言っていたフィギュアの予約を一緒に行って欲しいと頼まれ、

これは罠だ、三次元には騙されないぞと身構えつつも、行く約束をしてしまいます。

憂鬱と思いつつも、女の子と出かける約束をしたと自然に頬が緩み、ふひひ笑いをする拓巳。

しかし、ただ純粋に喜ぶのなら微笑ましいのですが、

その後、

あの女は僕に惚れてるのかな、でも絶対にフッてやるぞ。お前は僕の女にふさわしくない。星来よりいい女になって出直してこい。まあ一生無理だけどなって。ふひひひひひひ。

などと超上から目線でフるシミュレーションをした後に、

星来たんに頬ずりし出す始末。

なんか全身が痒い…。

はよ優愛に詰問されて恐怖に発狂しろ…。

この調子だと長くなりそうなんで、

がんがんはしょりますが、

次の日、約束通り優愛とフィギュアの予約に行かされる拓巳。

予約を済ませると、優愛と別れの時ですが、彼女は拓巳とまた連絡が取りたいからPCのメアドを交換しようと、遠慮がちに言ってきます。

確かに遠慮がちではあるけれど、彼女の話術は巧妙で、断るまでは帰さないという意図があるのは後の展開を知っている私には判るのですが、

とりあえず今の段階はまだ、拓巳に好意を抱いた、アニメに興味がある年上の美少女という描写がされているのに過ぎないのに、

(この女は巧妙に僕が断ったら悪いみたいに仕向けている。恐ろしい。うまく説明できないけど普通じゃない。異様だ)と、背筋に悪寒を走らせながら、彼女をそう表現する拓巳。

この段階では優愛の異常さはもちろんさっぱり描写されておらず、あくまでも、奥手なオタクである拓巳に対して、優しく拓巳の意思を尊重しながら、ゆっくり関係を進めようとしてくれる理想の相手。しかも美少女。普通の人間ならちょっとくらいわくわくドキドキする展開なはずです。

あんたが異様だよ…。

まあ結果的にメアドを教えてしまう拓巳。

早速メールが来ますが、返事は出しません。

グリムにチャットで相談。

グリムは茶化しながらも、現実の女の子と付き合えるまたとない機会で良いことだと言い、これを逃す手はない、と背中を押してくれます。

しかし、拓巳は、

確かに優愛と話していると、アニメの話を振ってくれるし、楽しくなったり嬉しくなったりするけど、それ以上に面倒臭い。

これならまったり二次元に浸っていた方がずっと良い…と。

一応、希望を持ってしまいそうになる。気持ちが揺らぐとは思っているようですが、

僕みたいなキモオタが希望を抱いたって無駄さ、一度も報われた事がないから三次元に興味を失ったとバッサリ。

受動的でネガティブなキモオタにも程があって、現実世界で自分から能動的に動こうとする気配が全くない。

これは西條拓巳の個性であり、サブキャラならそれでも良いのです。物語の彩りです。

でも彼は主人公なんですよ?ちょっとは自分から勇気を出して動けよ…。

次の登校日、優愛が朝の挨拶をしてくれて、

まだ僕に期待しているのか…僕も君を好きになって付き合って…ということを。そんな健全なこと…。したいけどこの僕が出来るわけがない。 

と、なぜか一人絶望の諦めモードですが、

彼女が拓巳の意思を尊重する態度を取りながら、彼を優しく肯定してくれるため、遂に拓巳も、徐々に心情の変化が生まれます。

優愛なら僕を裏切らない、優愛を信じてもいいのかも、優愛なら僕を救ってくれるかもしれない、と。

ところで拓巳は心の中でずっと『優愛』と下の名前で呼んでいるのですが、それがなんとも気持ち悪い。普通、楠って名字で呼びませんか?なんでこいつ、下の名前で呼んでるの…?

こういう些細なところでもプレイヤーをキモがらせてくれるとはさすが西條氏。

優愛と一緒に帰り、通り道の公園でまったりしていたのですが、

彼女のカバンの中身がはずみで下に撒かれた瞬間、彼は見付けてしまいます…ニュージェネ事件について調べているらしいスクラップブックを。

それを見た瞬間、

拓巳は、僕を警察に突き出すつもりで僕を調べてたんだ、優愛は僕の味方だと思ってたのに。

と、優愛がニュージェネを調べているのが判っただけで、この思考です。

あまりにもネガティブに跳躍しすぎていてプレイヤーはついていけていないのですが、

ほどなく優愛も本性を現して、結果的には拓巳が想像していた通りでした。

彼女はニュージェネ事件について調べており、拓巳が磔事件現場を目撃した事を知っていたようです。それで接近し、拓巳の部屋に立ち入った時に、磔死体事件に使用された杭を見付けていました。

だから彼からその事を詳しく聞き出すために、もっと拓巳に接近したのです。つまり今まで全部、拓巳を信頼させる為の演技と嘘だったのだと。

優愛は詰問モードに入っても、いわゆる巧みな話術を披露します。

あの日、拓巳の部屋から発見した杭を見せ、

「知ってるんでしょ?知らないなんて言わせない。知ってなくちゃおかしい。知ってるよね?しっ・て・る・よ・ね?」といった調子で冷淡な声でまくしたてます。

怖ぇー!

怖いのですが、彼女は真剣に事件について調べており、

なんとナイトハルトと将軍のチャットログを入手していました。

例の磔事件が起こる前に、磔事件を再現した画像を将軍が拓巳に送ってきたシーンですね。

これは拓巳のPCから拾ったものではなく、拓巳がいつも使っているネカフェ。拓巳がいつも指定する、御用達の一室のPCから入手したものだと優愛。

ナイトハルトの発言時間と将軍の発言時間が、かなり時差があり、

将軍が発言した時間は、拓巳が登校した日だった。

即ち、将軍が拓巳の自作自演だと結論付けられるものでした。

そして、将軍…拓巳が磔事件の犯人でないとしたら、事件より前に画像を持っていた彼は、予知能力のようなものがあるとでも考えるしかないと。

優愛は自分の言っている事が信じられないかもしれないが、いつものネカフェの拓巳の指定席のログを自分で調べてみれば判ると言い、

解放してくれます。

信じがたい事実を突き付けられた拓巳はショックのあまり、案の定、エンスーに逃げ出します。

 

・第二章『Click me』

拓巳は子供の頃、楽しみにしていた遠足が前日になって両親から「行ってはいけない。お前には無理だ」と突然告げられ、

クラスのみんなが遠足にいけなくなればいい。

と、強く呪いました。

悲惨な事故に遭い、担任は死ぬ…そんな空想を頭に描きます。

次の日。

拓巳が夢想した通りに、本当にバスは事故に遭い、クラスのみんなは大怪我。担任は死にました。

その時、拓巳は自分には予知能力があるのかも、と子供ながらになんとなく感じていました。

でも、将軍が自作自演だなんて…そんな馬鹿な。しかし現実世界をゲームのように例えるなら、自分がナイトハルトと、別アカのリーゼロッテを持っているように、

西條拓巳と将軍を操作しているプレイヤーが存在するのか?時々感じる視線『その目誰の目』もプレイヤーの視線なのか?

と、メタな事を言い出す有り様です。

ともあれ、彼はAH東京総合病院の精神科を受診するために来ていました。それは自分がまともであり、優愛がおかしいのだと専門家からお墨付きを得るため。

…他にすることがあるだろう…優愛に言われたようにとりあえずナイトハルトと将軍のログを調べる作業に行こうよ…。

苛立つプレイヤーですが、仕方ありません。これが西條拓巳なのですから。

ちなみに彼は先程の幼少期の経験以後、無口になってしまいました。

それは予知能力があるから自分は助かったのかという気持ちと、遠足に行かせなくて良かったと呟いた親への不信感から。

無口になった拓巳を心配し、いっそう過保護になる両親への憎しみが募り、復讐心から更に塞ぎこんでしまったですが、それで精神科に連れていかれPTSDだと診断され、中学生になるまでしばらく通院したのです。本当はPTSDじゃないと判っていた拓巳は薬など一切飲んでませんでしたが。

そういうわけで、ここの精神科に受診するのは慣れていました。

彼を担当してくれた誠実そうなおじさんキャラの高科先生は凄く優しくて、拓巳も好ましく思っていました。

自分のことなんて覚えてないだろうな、と思いつつも、ほのかに期待してたらしい拓巳は、

先生が明らかに初対面として接したことに少なからずショックを受けます。

…まあそりゃ、受付で初診だって言っちゃってるから当時のカルテも出されていないわけで、さすがに先生も拓巳の名前を聞いて顔を見ただけで、思い出すことが出来るわけがないと思うのですが。

あんたは大学病院の精神科の先生が一体これまでに何人の患者を診ていると思っているんだ…。

絶望しつつも、一応、正常だと判断してもらおうと気を取り直して、

自分でも知らないうちに出かけて、パソコンで文字を打ち、それを覚えてないなんてことがあり得るだろうか?と尋ねます。

ここら辺は拓巳が言わんとした意図をうまく伝えられないまま、拓巳が夢遊病かもとか要らんこと言ったため、

診断は夢遊病疑いという事で進んでいきます。

手っ取り早くここで寝ていってみれば症状が現れるかもという事で、寝てみることに。

いやあんた、寝てないのに無意識で動いているから夢遊病とは違うのでは?とか、ちゃんと伝えないと…寝てどうする。

結局夢遊病の症状は出ず…出るわけないのですが…。

先生に質問をしたかったのですが、あいにく先生は次の患者を診察中。当たり前だろ…閑散とした個人病院とかならともかく…。

とりあえず心理状態を把握するチェックシートに記入だけして、先生が処方してくれた軽い精神安定剤をもらって、症状の改善がなければまた来るようにと告げられ、拓巳は家路へ。

帰りながらチェックシートの隅にNOZOMIと書いてあり、

そのNOZOMIというキーワードに見覚えがあることを思い出します。

それは子供の頃の通院時。

いっかな沈黙症状の改善がない拓巳は、カウンセリングルームのようなものに通されるようになっていました。

高科先生は、拓巳がしゃべれないのではなくしゃべろうとしない事を見抜いていましたが、根気強く信頼を得られるように接してくれていました。

そうした治療の場には、いつも付き添いの母と、優しい看護婦さんが居て。

そして、離れた場所で窓の外を眺めていた黒スーツを着て、NOZOMIの名札をつけた男。

一切しゃべらなかったその男は、ひどく場違いな存在に思えましたが、今にして思えば、NOZOMIという企業の人間…営業マンかなんかだったのだろうと合点がいきました。

でも、普通そういう治療の場に企業の営業マンなんかが立ち入るはずないよな…もやもや。

もやもやしたので、エンスーします。

またか…。

いやまあ…私もそういうタイプですけど…。

しかしエンスー内でもニュージェネの話題で持ちきり。

これ以上話題についていけないのは、みんなの英雄でありギルドのリーダーでもあるナイトハルトである以上、避けなくてはなりません。

ニュージェネ事件の現場と犯人の顔を見てしまったという現実から逃れるために、

事件についての情報を完全シャットアウトしていた拓巳でしたが、ようやくグリムの勧めでまとめサイトに目を通すことに。

ここでようやく、ニュージェネ事件についての詳しい概要が明かされます。

長かった!

最初の事件、『集団ダイブ』。

9月7日、コーネリアスタワーのヘリポートがある屋上から、5人が飛び降り自殺をした事件。もちろん即死。

5人それぞれの手の爪には本人以外の肉片、そして引っ掻き傷。その事から、どうやら手を繋いで飛び降りたらしいと推測される。屋上に遺書は残されておらず、屋上に向かう扉は常時施錠されていた。

5人の荷物から鍵も発見されず、現場は密室と言える状態。どうやって侵入したかも不明であり、その事から、5人以外の誰かがそこにいた可能性が高い。

第2の事件、『妊娠男』。

9月19日、渋谷駅のガード下付近にて、血まみれの男性が倒れていた。男は既に死亡していたが、腹部が不自然に大きく腫れあがっていた。男性は何者かによって腹部を切開され、胃の中に生まれたての胎児を閉じ込めて縫合されていた。なお、胎児と男性に血縁関係はなかった。

胎児は妊娠32週目ぐらい…つまり、母親の体から帝王切開して取り上げられたらしく、そして、この母親が誰で、今どこで何をしているのかなどは一切不明である。

ここまで読んで拓巳は、あまりの凄惨さにげんなりして、読む気力を無くしますが、

星来たんが優しく声をかけ拓巳を案じてくれる様を妄想し、

もう少し耐えてみることにしました。

いちいち…おっえ…。プレイヤー的にはグロ描写より、きめ細やかな拓巳のキモオタ描写にげんなりです。

なお、二つの事件にはどうみても関連性が無いのですが、

なぜ『ニュージェネレーションの狂気』と呼ばれるようになったかというと、

最初の事件はまずただの集団自殺だと思われていましたが、

同じ渋谷で、そんなに日を置かず凄惨で不可解な殺人事件が起き、

更に集団自殺だと思われていた事件に、第三者の関与…殺人の可能性が浮き上がってきたことから、

マスコミはいつしか、

『新世代の若者達が生み出した狂気』

即ち『ニュージェネレーションの狂気』とひとくくりにして報道するようになったのだそうです。

そして第3の事件…拓巳が目の当たりにした事件…『張り付け』。

9月29日に起こったそれは、まだ起こって日も浅く、さほど情報は集まってませんでした。

杭で空き家のコンクリート壁に被害者男性の遺体が張り付けにされていた事くらいしか。

被害者男性は56歳で、ニュージェネではない気がしますが、

もはや渋谷で起こった不可解な猟奇殺人事件は『ニュージェネ事件』とカテゴリーされる風潮になったのでしょう。

もちろん警察はあくまでも3つの事件は別物。

それぞれ別の犯人が居る前提で追っているようですが、

ネットでは、同一犯だと期待する説が支持されています。

そして、オカルト的な説も。

2週間前に渋谷で起きた震度3の地震

震度3なら大したこと無いはずなのに、なぜか8人もの死者が出た不審な地震

オカルト派はこれがニュージェネ事件の原初であり、第1の事件とすべき…と主張しているらしいですが…。

まあ。とにかく全ての犯行に、犯人に繋がる手がかりが残っておらず、捜査は行き詰まっているらしい…なぜあの時、通報しなかったんだこいつは。

ともあれ、一通り事件について把握した後、

拓巳は、優愛に予知能力があるから、事件前に事件を再現した画像を持っていたのか、

それとも犯人だからなのか?と詰められた件を思い出し、

ひとまず例の画像を検証することにしました。

ところかわって、警察では3つの事件について捜査本部が置かれていました。

同じ渋谷区内で同時期に起きた殺人事件は、現状別々に捜査本部が置かれていますが、

その内、マスコミのカテゴリーに倣って、ニュージェネ事件とひとくくりにされるかもしれない…そんなことを、鬱々として判警部補は思っていました。

相棒である新人の諏訪と、張り付け事件の捜査会議に出席し、

判と諏訪が現場の防犯カメラの映像が解析でき、犯行時刻頃に不審人物が映り込んでいたと報告します。

それは現場から、犯行に使われた杭を握って走り去る翠明の男子生徒…とまでしかまだ判ってませんが、

プレイヤーはこれが誰か判ります。

西條拓巳。

警察は、この人物が犯人に一番近い…あるいは何らかの事情を知っているものとして捜査を進展させます。

場面は拓巳が画像を解析する場面へ。

画像は事件が起こる前に貰ったものであり、これが合成ならば何らかの証拠…例えば将軍に関する何かが見付かるかもしれません。

よく見てみると、写真の隅に人物が暗く写っている気がしました。

これは誰だ?

髪は短いので、悪魔女ではありません。

拓巳は画像処理ソフトを使用し、画像の暗さを明るくしてみます。

するとそこに写っていたのは、慌てて現場から逃げ去ろうとする自分でした。

この画像は事件が起こる前、28日に貰いました。

そしてもちろん自分は、29日に現場を目撃するまでここへは立ち入っていません。

未来を写した写真なのか?それとも、自分に心当たりがないだけ?

優愛は予知能力があるのか、と聞いていました。

ようやく優愛が尋ねていた意味を理解する拓巳。

あまつさえ画像のコメント欄に自分だけのキーワードであるはずの『その目誰の目?』を目にして、拓巳は戦慄するのでした。

色々拓巳なりに苦しんだ後、彼は予知について調べ始めます。

そしてファンタズムという渋谷を拠点に活動するアマチュアのゴシックパンクバンドと、そのボーカルFESの情報に行き着きます。

彼女が作詞した歌詞はニュージェネの予知になっている、と。

それらの曲が発表されたのはいずれも事件前だった。だから予知あるいは犯行予告だ、と話題沸騰なのです。

いまやネット上では、ファンタズムの曲から次のニュージェネ事件について予測しようという活動が盛んに行われ、みんなライブに熱心に通ったり、CDを買ったりしているようです。

FESは悪魔女なのか?それとも、別人?

顔の画像を見て、悪魔女かどうか確認したいのですが、どこにも載っていません。

悪魔女なら、接触すれば殺されるでしょう。

でももし悪魔女じゃなければ、助けを求めることで悪魔女への対抗手段になるかも?

淡い期待を抱きつつ、とりあえずはFESが悪魔女かどうか確認するため、キモオタには完全アウェイのエリアであるライブに赴きます。

とはいえ一人で入れるはずもなく、拓巳は三住を誘っていました。ライブ会場の中に売ってあるCDを買ってきて貰い、バンドメンバーの様相を視認してもらうためにチケット代を驕り、偵察役に雇った格好です。

自分は全く中に入りたくないので。

…いや、主人公でしょ?なんでも良いから勇気を出して入れよ…。

三住から、FESは短髪で、170センチはある長身の女性だった、などと聞かされ、

悪魔女との特徴が一致しない、別人か?と思いますが、

いかんせん伝聞なのでいまいち確証が持てません…だからさっさと入れと…まじで面倒臭いなこいつ。

プレイヤーが苛立っていると、

三住くんは全く苛つかず、明るく笑って、そんなに気になるなら入って見てみれば良いじゃないかと、ぐいぐい背中を押されます。

…三住、お前本当に良い奴ですね…彼が居なかったら、

FESの顔を見に行く…いや行けない、行けっこない。星来たん助けて!というぐだぐだしたくだりが延々続くところでした。

三住に促されて中に入ると、ちょうど曲の演奏が終わり、FESのMCが始まります。

顔を見て悪魔女とは別人だと確信し、ホッとする拓巳。

アンニュイな雰囲気で、ショートカットだけどボーイッシュではなく可愛さと妖艶さを兼ね備えた彼女は、孤高で不思議なオーラをまとっていて、少しみとれていました。

彼女は淡々と淀み無く、

コキュートスがどうのこうの、大いなる意志が、世界の均衡がうんたらかんたらと、なんだかよく判らない事を述べ、

巨大な剣…ライン状に埋め込まれたガラス部分が妖しく青く発光しています…のような形をしたマイクスタンド…いやマイクスタンドなのかこれ?

を、右手だけで軽々と持ち上げ、逆手に持ったまま大きく横薙ぎしました。

かっ…こいいー!

観客は大興奮ですが、

拓巳はこの女、危ないぞ…もしや悪魔女の手下で、毎晩あの剣で客の首をかっ切って、悪魔女に血を捧げているのかも…などと一人妄想に耽っています。

そうこうしているうちに再び曲が始まり、

そして、歌い終わった後、なぜか拓巳をじっとまっすぐ見つめてくるFES。

拓巳は耐えきれず飛び出していました。

FESは悪魔女の手下かどうかは判らないが、ニュージェネ事件について何か知っている。

しかし、かといって再びライブハウスに戻ってライブを見続けることも、更に本人に直接尋ねる…なんてことは全く出来るわけがないので、彼はそのまま家に帰り、エンスーに興じます。

…またか。

しかし本人の気分が晴れないため、ナイトハルトの調子も悪く、拓巳は苛ついて操作を投げ出し、

ナイトハルトに自我があれば、僕の操作を離れたら勝手に動き出すのかななどと妄想し、そのままボケーッと1時間も画面を見続けます…。

はあ…なんだそれは。

やっぱりあんた、主人公向いてないよ…。

オカリンにしろ拓留にしろ、非リア充のオタク気質でありながらも、なんでもすぐ思い立ったら大体主体的に行動してたのは、

やはりこいつの反動としか思えない…。

場面は切り替わって、七海に促され、渋々拓巳は妹と、自分の携帯を買いに行かされます。

しかし。なかなか七海が拓巳の携帯を迷って決めきれず、呆れた拓巳はその場を立ち去ります…おい!お前の携帯を買いに来てるんだぞ!

すると、拓巳は長大な剣を持った女を見てしまいます。

FESが持っていた剣と雰囲気は似ていますが、彼女のそれよりも長い…。その女は翠明の制服を着ており、

そんな目立つものを渋谷のど真ん中で持っているのに、まるでそんな物は持っていないかのような態度をしていました。

周りも特に見とがめている様子はありませんが…。

それを見ているうちに七海に捕獲され、結局彼は七海と同じ機種の携帯を契約します。

とにかくこんな憂鬱な日はエンスーだ!

まあ、憂鬱であろうがなかろうが結局エンスーするんでしょうけど。

するとグリムからなぜか「その目誰の目?」と言われて、動揺していると、

第4の事件が起きたんだ!とグリムが話し続けます。

今度の被害者は血がことごとく抜かれており、全身が緑色になっていた。

事前にネットオークションでヴァンパイ屋なる人物が、『B型の血液が不足しています!』なるタイトルで被害者の画像を貼り付けて、出品を行っていた…。

そして壁には「その目誰の目?」と書かれていた。

 

・第三章『将軍』

深夜4時。

渋谷駅前に現れた5~6人の『清掃員』。

彼らは腕章に『清掃員』と書かれていますが、

黒いスーツを着て、全く清掃をしている気配はなく、振り子のような奇妙な計測機器で、あちこちでなにかを計っていました。

そんな渋谷の光景が何を意味するのかはまだ謎です。

さて。

第4の事件『ヴァンパイ屋』。

渋谷駅のトイレで発見された、身体中の血液が全て抜かれ、緑色に変色した被害者男性の死体。

それだけでも異常ですが、発見と前後して、ネットオークションに遺体が写った写真が『B型の血液が不足しています!』というタイトルで出品されていた…しかもこの文言を印刷したティッシュが犯行前に駅前で配られていた…となれば、それはもうマスコミやネットは大にぎわいです。

マスコミの報道は加熱し、

現場を実況するネラーも数知れず。

世間の注目があがったことで、

現場の壁に書かれていた言葉『その目誰の目?』は、ネットはおろか、渋谷を歩いている普通の人々にまで、浸透しつつありました。

拓巳はいつものように登校日には帰りにネカフェに寄り、そして家に帰ろうとしていました。

すると、また街中だというのに巨大な剣を何食わぬ顔で持っている女の子を目撃します。

七海と携帯を買いに行った時にも見かけた女の子でした。

長い黒髪の彼女は翠明の制服を着ており、なぜかじっと拓巳を睨んでいます。

関わり合いになりたくない…と、視線を伏せ、彼女を避けようとしますが、

彼女は拓巳に近付いてきて、「お前、見えるのか?」と尋ねてきます。

拓巳は彼女が言っている事の意味が図りかね、焦りますが、彼女は構わず剣を振り、

もちろん拓巳は避けようとその場にしゃがみこみます。

彼女は「この剣…ディソードが見えるのかと聞いているのだ」と主語を付けて話します。

絶句していると、

彼女は拓巳の様子から『見えている』と判断して、

「お前も集められたんだな。エラーを見たことがあるか。見たら教えろ」と、矢継ぎ早に訳の判らない事を言い、

最後に「私は3年の蒼井セナ。駅前の電車にいる」と名乗り、立ち去ります。

拓巳にはさっぱり、彼女が何を言っていたのか判らないのでした。

次の登校日。朝。

登校中に七海に見つかってしまい、嫌々一緒に登校する羽目になる拓巳。

いつも通りお節介な事ばかり言ってくる七海にうんざりしていましたが、

次第に七海はぼんやりしてしまいます。

そして…いきなりふらふらと車道に飛び出してしまいました。

車が来ています。

慌てて彼女の腕を掴んで引き寄せる拓巳。

我に返る七海。

しかし、「車なんか来てた?」と、彼女。

さっきまでヒュンヒュンヒューンという音が聞こえていて、道の向こうに父母が立っていて自分を呼んでいたなどと述べます。

彼女が指差した方には、リュックを背負ったオタクっぽい男。なぜかカメラを向けており、いかにも不審者です。

拓巳は怖くなり、七海を置いてさっさとその場を立ち去ります。

…七海を置いて…?

ひどい!なんて奴ですか、普通、連れて行くでしょ…。

一応、「おい、七海。行くぞ!」と声をかけてはいますが…手を引っ張るなどして七海を連れていってくれない拓巳って一体…。

幸い、七海は正気に返っていたので、後ろを付いてきてくれましたけど。

学校内では、三住が、

同学年の他のクラスに滅多に学校に来ない岸本あやせという女子がいて、彼女こそFESらしいと聞かされます。

しかもちょうど偶然登校してくるあやせ。

三住が早速彼女とお近づきになろうと声をかけますが、全く聞こえてなどいないかのように歩き続け、拓巳を見つめてきます。

そして「見つけて。早く。剣を」と呟き「そうすれば、キミは救われる」と言い残して、勝手に去っていきます。

セナにしろあやせにしろ、剣を持った女の子から、剣についてのトークを(一方的に)された…。

拓巳は両者は何か関係があるのだろうかと考えます。

帰り道。拓巳お待ちかねの星来覚醒後バージョンのフィギュアが発売されたため、

寄り道せずにそれを手に入れた拓巳は、一刻も早くベースで眺めようと急いでいると、

判と諏訪に声をかけられます。

張り付け事件について目撃者が居ないか聞き込みをしている、という彼らに対して、

まさか僕を犯人だと疑ってるのか?などと汗だくになり挙動不審になりながらも、

目撃した悪魔女の事を怯えながら話したり、警察に守ってもらいたいなど自分の意志を伝えます。

呆れている様子の諏訪でしたが、

判は拓巳の言っていることを信用するような態度をとり、彼に連絡先を尋ねます。

拓巳は警察は無能だろうが、もしもの時に守ってもらえるに越したことはないと感じ、携帯の電話番号を教えて、帰還。

ベースで念願の覚醒後バージョンの星来フィギュアを一通り堪能した後、さてエンスーだ。と思ったところで、ノックの音が聞こえてきます。

拓巳は居留守を使おうとしますが、ふと鍵がかかってない事に気付き、焦って鍵を閉めに行こうとして転んでしまいました。

そして、

ノックをしていた訪問者はゆっくり扉を開きます。

翠明の制服を着た肩より少し長く伸ばしたピンクの髪の女の子。

「こんにちは~」とその子は無邪気に挨拶します。

その顔は忘れもしない悪魔女でした。

彼女はにこにこと可愛らしい笑顔を浮かべて、拓巳に親しげに話しかけ続けます。

怯えまくり、悪魔女、殺人鬼、僕を殺さないでなど、どもりながらなんとか声を発する拓巳に対して、

彼女は傷付くなーと言いつつ、

タクと呼びかけながら、友達だと言い、あまつさえクラスメートだと言ってきて、終始親しげに話しかけてきます…。

拓巳は次第に奇妙な感覚を覚えていました。

殺人鬼と対峙する恐怖ではなく、

全く会話が噛み合わないまま、一方的に親しげに話しかけてくる相手と対峙する得体の知れない恐怖。

自分がおかしいのか、相手がおかしいのか…判らなくなる恐怖。

彼女は拓巳は滅多に学校に来ないから、私の名前も忘れているの?と言い、

咲畑梨深と名乗ります。

拓巳は完全に初めて耳にした名前と、初めて見た女の子に絶句します。

でも正直…自分のクラスメートの顔なんて覚えてないので、100%こんな女、クラスには居なかったとも言いきれないのですが…。

仮にクラスに居たとしても、いきなりベースに乗り込んできて、タクなどと呼びかけながら、親しげに話しかけてくるなんてあり得ないし、サイコパス過ぎます。

彼女は、そんなに自分の事が信用できないなら三住に聞いてみれば?と携帯を示します。

拓巳は三住の電話番号を知りません。

梨深は拓巳の携帯を操作して三住に電話をかけました。

どもりながらなんとか、梨深について尋ねると、三住は呆れながらも、拓巳に恐ろしいことを言います。

「お前は1年の時から梨深と同じクラスで、しかもこの前3人で映画を観に行った。そもそも三住と拓巳が親しくなったきっかけは梨深」

…怖ぇー!!

梨深は進路調査のプリントを持ってきたのだと日常の光景を演出しますが、 拓巳は帰ってくれ。殺す気が無いなら放っておいてくれ。と声を絞り出して言います。

梨深は悲しげに出ていきました。

そして…その夜。明け方。

いつものように、ソファで眠っていた彼は、むくりと起き出します。表情は虚ろ。

そのままPCへ向かうと、ニュージェネ関連スレにひたすら『将軍』のハンドルネームで「その目誰の目?」と書き込み続けます。

本人に、その自覚は全く無く、それは夢遊病患者そのもののようでした。

彼は翌朝、AH東京総合病院の精神科を受診します。

高科先生に、自分は正常だと確定してもらうために。なんだったら、過去もお世話になったと打ち明け、親身に相談にのって貰いたい。

しかし通された診察室に居たのは、白髪のおじいちゃん医師。

おじいちゃん医師は、「高科先生は過労で先週末に倒れて、それ以来、ずっと休みなのだ」と教えてくれますが、

以前も応対してくれた眼鏡の女性看護師・葉月は、なぜか「高科先生はもういない」と告げます。なんか怖い。

拓巳は、高科先生以外に診て貰おうという気になれず、帰ってしまいました。

彼は、警察と名乗る二人組に悪魔女の事を話してしまったから、悪魔女は昨日自分の所に乗り込んできたし、

きっと、自分の味方であった高科先生をも排除したのだと思い込んでいたのです。

一人追い詰められる拓巳は自分を守ってくれる味方を求めます。

彼はいろいろ思いを巡らせて、 

あやせやセナが言っていた『剣』というキーワードと、

辛うじてまだ信用できそうなあやせが「剣を見つければ救われる」と言っていた事から、

剣を手に入れれば良いと考えます。

というわけで剣…ディソードについてネットで調べてみる事にする拓巳。

どうやら結構昔の海外のハイ・ファンタジー小説…『グラジオール記黙示録詩編』という、

一般にあまり浸透せず、日本では現在どれも絶版となっている小説にそんな名前の剣が出ていたようです。

…イラストも載っていますが、あやせやセナが持っていた奴よりは随分地味です。

更に別の手がかりもありました。

ディソードを渋谷のとある店で買ったというブログ。店の名前も載っていました。その店は渋谷にある。

彼は剣を手に入れるため、藁にもすがる思いで出かけていきました。

怪しげな店に果たしてディソードはありました。地味な見た目の玩具の剣。

あやせやセナが持っていたディソードは、

すごく格好良くて、本物の剣と見紛うような、重厚感と鋭利さを持ち、光を放つという精巧な作りでした。

お粗末な玩具の剣を購入するのをためらう拓巳でしたが、ひょっとしたら、形状変化とかするのかもしれない…と考えて、これを購入します。お値段一万円。プレイヤーの感覚としては決して安くないし、これを買う奴の気が知れないのですが、

拓巳は、そこそこRMTをして稼いでいるため、これを高いなどとは思わず、最後の一本だとも聞かされ、購入します。

…うおお…なんだか無性にこいつを殴りたい。

ベースに戻ると七海が待ってました。

いつものように生存確認をしにきたわけですが、

ディソード購入のおまけで店員がくれたバングルを見て可愛いと言う七海。

拓巳は全く要らないため、七海にあげます。

七海は早速身に付けて笑顔で、「おにぃのバーカ」と連発し、「おにぃからのプレゼントなんて初めて。しょうがないから大事にしてあげるよっ」と言います。

拓巳は七海の一見不遜な物言いに疎ましく思うばかりでしたが、

なんて可愛い妹なんでしょう。バカなどと言ってるのは照れ隠しで、内心とても喜んでるんですよ!なぜそれが判らない!バーカバーカ!

次の登校日。

拓巳は早朝までエンスーに興じており、遅刻寸前で教室に入ります。

机に突っ伏して眠ろうかとしていると、

三住が声をかけてきます。

この間電話で話した三住は、自分が全く身に覚えの無い梨深との思い出話をしていた為、拓巳は怖くて彼と話をする勇気がありません。

寝たふりでやり過ごそうとしていたら、

携帯に着信まで入る始末。

どうしよう…と思っていたら、すぐ携帯は留守電になったらしく、音が鳴り止みます。

梨深が三住に「タクは疲れてるみたいだし、寝かせといてあげたら」などと声をかけ、

しばらく二人が親しげに話している声が聞こえてきます…。

戦慄する拓巳。

いくら拓巳がクラスメートの顔と名前を覚える気がないとは言え、

どう考えてみても彼女は今までこのクラスには存在していなかったはずでした。

さも当然に…彼女は拓巳の日常に入り込んでいました。

その時担任が入ってきて、

「転校生が入ることになった」と告げます。

転校生は折原梢。七海よりも小柄で、気が弱そうでいかにもいじめられっ子なオーラを出している彼女。

彼女はなぜか涙目で沈黙したまま。

結局、自己紹介することも出来ず、担任から気遣われて、もう席に行って良いと言われ、歩いていく梢。

その時、「同じクラスで良かった」などと少女の声が聞こえて驚く拓巳。

でも誰も何も言っていない様子…思わず顔をあげると一瞬だけ、梢が鉄板のような剣を持っているのが見えたような…。

その後、携帯にさっき着信が入っていた事を思い出し、携帯を見てみます。表示されている相手は番号のみであり、家族からの電話ではない。留守電が残されており、メッセージを聞いてみると、

それは信号で流れる『通りゃんせ』のBGMが、終わり際にピーポーピーポーと救急車のサイレン音になり、そして大音量のブザー音が鳴り終わるという代物で、

たちの悪いイタズラとしか思えません。

それをしてくる相手が誰か心当たりはありませんが、

そんな事を仕掛けてくる相手にかけ直す勇気など全く無い拓巳は、それを放置するしかなく、

このイタズラを仕掛けた相手が誰か探るには、まずこの電話番号に、誰かがかけて貰うしかないと考えます。

自分でかけようとはしない。

更に、三住は悪魔女に洗脳されているかもだから、妹の七海が適任で、たまには世間の荒波に揉まれれば良いなどとほざいています。

異常者の矢面に実の妹を立たせようとかいくらなんでもクズ過ぎて反吐が出るのですが。

彼はコンビニに弁当でも買いにいこうと出かけます…しかし、道はおろか、コンビニの中でさえ、なぜか全く人の姿が見えません。

時間は夜の7時。

拓巳の住んでいる神泉駅周辺なら、たまたまそういうこともあるのかも…でも、渋谷駅の周辺なら必ず人がいるはず。

彼は必死で渋谷駅へ走ります。スクランブル交差点。

いつもなら人でごった返してるのに全く無人

まさか世界から人間が消えてしまった?

確かに自分は人と関わるのが嫌いだけど、決してそんな無人世界が良いという意味ではない。

しかし。

その時。

車椅子に乗った少年を見つけます。

体の大きさからして小学生くらいか?

なんにせよ人を見つけてホッとする拓巳。

彼はスクランブル交差点にぽつんと居ました。

「やっと会えたね」

遠くにいるのに彼の声はすぐそばで聞こえます。

少年はメッセージは受け取ったか、拓巳に尋ねてきます。

訳が判らないながら、誰何する拓巳に対して、少年は「その目誰の目?」と言い、

「目覚めるんだ、早く。でないともっとたくさんの人が死んじゃうことになるから」

一方的にそういう事を言ってきます。

本作に会話のキャッチボールが出来る人、全然出てきませんね…。

拓巳は目を擦り、その少年の顔を良く見ます…小柄で幼さの残る声だったので少年だと思っていた彼の皮膚は老人のそれでした。

あまつさえ、頬はこけ、目の周囲は病的に落ちくぼみ、瞳は白濁し、眉毛はない…。

絶句する拓巳に、追い討ちをかけるように彼は「僕は『将軍』だよ」と名乗り、

そして「君は逃げちゃいけない」と告げて去っていきました。

誰かが「タク」と呼んでいます。

気が付くと拓巳は人が溢れかえるスクランブル交差点の真ん中にうずくまっていました。

心配そうにしているのは梨深。

彼を歩かせようとしますが、もちろん彼は悪魔女に対して怯えた態度をみせます。

さっきまでの人が消えたという幻覚もこの女が見せたものか…?と彼は考えていました。

人がごった返すスクランブル交差点で、錯乱して必死に彼女を拒む拓巳に梨深は、ビンタをして、そして、抱きしめて「ここにいたら危ないよ」と優しく正気に戻してくれます。

拓巳は、自分を殺そうとしているはずの悪魔女がいつも自分にひたすら優しくしてくれることに戸惑いつつも、安心していました。

正気に返ると、今自分達は信号が赤になった横断歩道の真ん中に取り残されていると気づきます。梨深に連れられて、歩道へ戻る拓巳。

梨深を信じたい気持ちと、信じてはいけない気持ちが交錯し、

そして拓巳は信じてはいけないと結論を出して、ベースに帰還することにします。

とはいえ、そのまま立ち去るのはさすがに気が引けて、ありがとうとお礼だけを述べて。

一方、警察はヴァンパイ屋事件が起こったことで、いよいよ人手不足が深刻となり、一連の事件をニュージェネ事件とひとくくりにして、捜査本部が1つにまとめられることになりました。

改めて現場についての状況が読み上げられていきます。

1つ目、2つ目と4つ目はほぼ拓巳がネットで見て把握している通りなのですが、

拓巳が目撃した張り付け事件は、なぜか彼が目の当たりにしたものと少し違っています。

彼はおびただしい程の杭に死体が埋め尽くされ、一見それが何なのか判らない状態になって壁に張り付けられた死体と、その死体から流れた血溜まりを目撃していましたが、

実際の事件の死体に、ほとんど杭は突き刺さっておらず、出血も少ないようでした。

これは一体、何を意味するのか。

 

・第四章『Di-Sword』

拓巳は梨深の夢を見ていました。

綺麗な青い空がそこにはありました。

拓巳の中で梨深の存在が変わりはじめていました。

ちょっと前まで梨深はニュージェネの犯人で、残酷で、超常的な力を持つ悪魔女だと考えていた拓巳。

彼女は、拓巳が全く見に覚えのないエピソードを、周りの人達に信じこませて、記憶を書き換え、

本当に以前からずっと居たかのように、彼の日常に溶け込んでいき、得体の知れないものを感じていましたが、

あの時、梨深の献身的な優しさに触れ、彼女の優しさは演技ではないと感じていました。

学校へ行くと、右足を少し引きずっている梢の姿が目に入りましたが、

案の定、一度会っただけの転校生の名前など覚えていない拓巳。

特に話しかけるでもなく先へ行こうとすると、

彼女は拓巳の見ている前で階段を転び、

少しですが下に落ちて、膝を擦りむき血を滲ませていましたが、

それをチラチラ見るだけで助けもせず、声もかけず放置するとはさすがというより他ありません。

教室へ入ると、いつものように三住に話しかけられます。

何食わぬ顔で梨深もやってきます…が、いつもの調子であの時の事には特に触れません。

話題は二人組の刑事が校長室で何やら話し込んでいた事から、

梢が可愛いという内容のトークへ。

三住をはじめ、『庇護欲をかきたてられる小柄で可愛い女子』という印象で、男子からの評判は上々である梢ですが、

女子からは早くも「ウザい」と言われはじめており、不興をかっているようです。

それは三住の彼女や三住のファンが主に言っていることで、

三住が可愛いだの言ってちょっかいを出しているからだと梨深が咎めます。

そこへ教室へ入ってくる梢。

彼女が怪我をしているのを見て、心配そうな表情を浮かべる二人。

三住はたまらず梢に声をかけに行ってしまいました。

梨深と二人きりになってしまい、どうしようと焦る拓巳。聞きたいことがあるし、言いたいこともあるのですが、心の準備をしていないため、一言も声に出てきません。

…まじでこいつ、なんとかならないのかな。

すると、なぜか梢がやって来て、

拓巳の机の前にくると、ゲロカエルんが描かれたばんそうこうを彼の机の上に置きます。

戸惑っていると、

梢は何も言わずに泣きそうな表情を浮かべます。

…訳がわからん…。

とりあえず梨深が、梢に、

拓巳は引っ込み思案で黙っているだけであり、怒っているわけではないので、泣かないでとフォローをいれますが、

いきなりやってきて無言でばんそうこうを置かれても、まじで対応に困ると思います。

梢は無言のまま、梨深にもばんそうこうを渡すと、深々と頭を下げ、自分の席に戻っていってしまいました。

どうやら彼女なりの処世術?名刺みたいなもの?なのかも知れませんが…まじで意味が判りませんね…。

とりあえず梢の事は置いといて…七海と遭遇する拓巳。

彼女と会ったことで、

拓巳は気持ちの悪いイタズラメッセージを留守録に残してきた、得体の知れない謎の相手に電話をかけさせるアイデアを思い出し、

七海に頼みがある、と切り出します。

…自分がやりたくない嫌なことを実妹にさせる、って、主人公が考えつくアイデアの中でも相当姑息な部類に入ると思うのですが…しかも、七海は「代わりにマクディをおごってよ!」と言ってますが、拓巳は表向き了承し、胸中では(嘘だけど)などとほざいてます。

まじでなんなんだ、こいつは…。

なにも知らずに電話をかける七海の手には、あの日拓巳から貰ったバングルが見えました。

学校にまで肌身離さず身に付けてくるとは、兄から貰ってよっぽど嬉しかったのでしょう。

胸にグッとくる、なんとも微笑ましい光景なのですが、

拓巳は特に感じ入った様子もなく、あんな安っぽいバングルを学校にまで付けてきて、本当にセンス無いな…と酷評。こいつの体には何色の血が流れているんでしょうか?

七海が電話をかけたことで…現在使われてない番号だと判明し、

大がかりなイタズラだったんだろうと推測し胸を撫で下ろす拓巳は、七海に礼を述べることもなく、マクディおごりの約束も嘘だとほざくと、さっさとその場を去ります。

街を歩いていると、ディソードを持つセナを目撃しました。

拓巳は自分がディソードを購入して歩いていた時は、衆目を集め恥ずかしかったのに、

相変わらずセナは堂々としていて、

しかも街中なのに、誰も見咎めている様子が全くないのが不思議といえば不思議ですが、

拓巳は彼女のディソードを追うように、後をついていってしまっていました。

すると道に白い鉄製の鎖が落ちている事に気付きました。

かなり長々とそれは横たわっていて、往来の邪魔になりそうですが、誰も見咎めている様子もつまずいている様子もありません。

拓巳は、それを辿っていきます。

鎖はハチ公像の横に放置されていた深緑色の古い電車に繋がっていました。

これは展示品のようになっており、自由に中に入ったり出来るもののようです。

電車の中を覗くとセナが座っていました。

白い鎖は彼女の足に巻き付いており、これが彼女の物だったと確信する拓巳。

しかし、持ち上げたわけではありませんが、

長さや見た目の材質の感じからいって、それが全体でとても重たいものであることは想像できます。そんなものを持ち歩いていたのか?

やはり得体が知れない…これ以上、彼女に関わるのは危険だと拓巳の本能が告げますが、セナは彼に入るよう促します。

気付けば白い鎖は見えなくなっていました。

彼女はこれを「エラー」だと呼び、こういうものをどこかで見たから自分を訪ねてきたのだと思ったと話します。

それはセナの妄想だったから消したのだと聞かされ、訳が判らず戸惑う拓巳。

同じく見えなくなったディソードについても尋ねてみますが、彼女は「お前も持ってるだろ」とあくまでも拓巳を同類として扱います。

しかし何も事情を知らない様子の拓巳に、

見えているが、能力に目覚めているわけでも、事情を知っているわけでもない状態の人間だと判断したらしいセナは、

プレイヤーや拓巳に本作の重要設定について話をしてくれます。

それを聞きながら、拓巳は口には出さず、彼の考えを頭の中で述べます…するとセナは、その内容に同意するのです。

頭の中を読まれた?!と驚く拓巳。

セナの話をかいつまむと、

人間は脳や神経全てに微細な電気が流れており、電気仕掛けだと言える。つまりそこに働きかければ、理論上は人の意志や肉体的な動きも全て操る事が出来るのだと。

当初は盲目の者に映像を見せるという、介護福祉の分野に革新をもたらす技術として研究は開始され、成功していったが、徐々に人の肉体を操るとかそういう方向性に向かっていったような感じです。

以前、アメリカでそういう研究が行われていて、倫理性の危険ゆえに大統領令が出され、禁忌とされたが、やはり利益優先でそれを続けようとするものがいた、と。

彼女は目に見えている世界は完璧ではないと言い、

「世界を疑え。仕組みを知れ」と彼に告げて、一方的に立ち去ってしまうのでした。

…コミュ障ばかりで、何がなんだか判りませんね。

拓巳はベースに帰ると、グリムに事情を打ち明け、協力を仰ぎ、アメリカでそういう事実があったかネットで調べていました。

どうせそういう記事なんて出てこない…とたかをくくっていた拓巳に、グリムから記事を提示されます。

それは特許の詳細を示す文書みたいです。

目を走らせ、セナが言っていた事と一致すると判り、愕然とする拓巳。

さすがに人の意志や肉体的な部分までコントロールうんぬんの記述までは見付かりませんでしたが…。

彼女が拓巳にそれを語った意図は、彼がこの話と無関係ではない、と判断されたからでしょう。

そして彼には夢遊病かも、と思う自覚症状がありました。

自分は何者かに操られていたのか?

頭を悩ませる拓巳。

そこへ優愛からメールが来ます…もう一度会って話がしたい、と。

もちろん優愛と話などしたくない拓巳は、

彼女がベースに押しかけてくる可能性も考慮して、いつものネカフェに避難していました…が、優愛にはそこもバレてるので、あっさり踏み込まれてしまいます。

アホだ…この主人公…。

優愛は、拓巳は『将軍』という別人格があり、いわゆる多重人格障害だから病院に行こうと言います。

ヴァンパイ屋の被害者が発見された時に壁に書かれていた「その目誰の目?」。

これはこの事件が起こるはるか以前、将軍がチャットに書き込んでいた言葉。

将軍イコール拓巳。だから拓巳はニュージェネの犯人。

これ以上罪を重ねるなと話す彼女は、恐ろしいことに心の底から拓巳を哀れんでいるようです…真剣ゆえに怖い。

たまらずその場を逃げ出し、無我夢中で宮下公園まで走りますが、そこに居た警官に優愛が接触し、

こちらを指差しながら向かってくるではありませんか。

冤罪だけど!そうであるはずだけど、はたしてキモオタと女子高生の言い分、どちらを信用して貰えるのか…拓巳は逃げるしかありません。

ていうか、彼には冤罪だと言い張る根拠がないのです…夢遊病?の自覚症状もありますし…記憶がなく梨深とも親しくなっていたのも、そういう事なのかも…。

とにかく彼は逃げます…しかしもう足が動きません。

彼は知らず知らずのうちにFESのライブを観たあのライブハウスの近くに来ていました。

そこへあやせが現れ、「とにかく逃げなきゃ」と言って彼の手を引き、一緒に逃げてくれます。

しばらく逃げた後、人目につかないトンネル内であやせとトーク

彼女は、自分の歌の歌詞がニュージェネ事件を予言している件で、警察にしつこく話を聞かれ、犯人と疑われているらしいと打ち明けます。

拓巳は、自分も優愛のせいで犯人にでっち上げられそうになり逃げていたのだと語り、

あやせは「同じね」といって、なぜか笑顔になります。

拓巳は思わず自分は無実だと叫びます。

どもりながら懸命に、己の無実をアピールする拓巳。

ならばそれは大いなる存在による導きなのだ、とにっこり微笑むあやせ。

そして彼女は「剣を見つけて」と言い出します。またそれか…。何が言いたいんだこの人は…。

いやまあ、私はアニメを観ましたし、次作を知っているので、彼女が言わんとしていることが薄々わかっているのですが、

これ、初見だとまじでなにがなんだか判りませんね…。

方向性が違うやべー女のオンパレード。

どこまでも健全でブラコン気味の可愛い妹・七海が不動の人気一位なのも頷けますね…。

ともあれ、拓巳はなんとか救われたい一心で、「ディソード」と口にします。

にっこり微笑むあやせ。

それは手に入れました、と端から見れば教祖と信者のやりとりにしかみえないやりとりをする二人。

彼女は、玩具の剣を抱え、街を歩く拓巳を目撃したと告げ、あれは偽物だと言います。

拓巳はじゃあどこでディソードは手に入れればいいのか?尋ねます。

するとあやせは、おもむろに何もない空間を割り、そこの闇の中に手を突っ込み、ディソードを取り出してみせます。

改めてまじまじと見るあやせのディソードは美麗で禍々しい形状をしていました。綺麗だけど危険な匂いを感じる剣。

「この剣は命運を握り、嘆きを収束させたものだ」と、格好良い中二病台詞…と言っても彼女のはたぶんナチュラルだから仕方がないです…を吐いたあと、

彼女はこれを「超越した場所に干渉するためのもの」だと言います。

それは異空間のようなもので、同一次元上にあるもうひとつの可能性…あるいは妄想、だと。

そしてこのディソードはそれらに干渉するための媒体のようなものであり、そこに存在しているものだと。

要するに今目の当たりにしているのはあやせの妄想だと理解した拓巳。

じゃあ、なんで見えているのか?

言葉で理解するものではない、と彼女は更に、もう1人の自分の姿を拓巳の前に出現させ、これも妄想だと教えてくれますが、

全く理解が追い付きません。

一方刑事二人組…判と諏訪は、張り付け事件の現場を訪れていました。

どうやら諏訪の口ぶりによれば彼らの本来の仕事は『重要参考人である西條拓巳の尾行』だったそうですが、それは他の刑事に任せてしまっていました。…直後に入った電話報告によれば、あやせの乱入で見失ったそうですが。

判は意に介さず、張り付け事件の現場でおもむろに五円玉に糸を通して、タラリと下げて手に持ちはじめました。

ダウジング…のつもりなのかなあ…。

諏訪は呆れ声を発します。

判は見てみろと言い、糸に吊られた五円玉が楕円形の軌道を描いて回るのを見せます。

それは意図的に動かすことが出来ない動きです。

渋谷の十数ヵ所はこの現象が見られる場所があるのだと。

若者を惹き付ける街・渋谷。

諏訪は、判から、なぜ渋谷は若者を惹き付けると思う?と尋ねられ、

五円玉が楕円に回転するからか?と冗談めかして返します。

思いの外、判は冷静に「そういうことだ」と返答するのでした。

引力が異常になっている場所がある…その度合いを示す値はGEレート。グラビテーション・エラー・レート。

異常値を示す場所は、即ち、引力が異常であるため、五円玉が楕円形に回転してしまう、とこういうことらしいです。

渋谷は世界でも有数のGEレートが計測される場所である、と。

で、引力は生物や人間の生態にも影響を及ぼすものである…それが若者を惹き付ける街となってしまっていて、ひいてはニュージェネのような騒動までも起こってしまったのでは、と。

とにかく、その推論だと、GEレートが異常値を示す場所こそニュージェネの舞台になりやすく、実際、張り付け事件はGEレートが異常でした…次回以降の事件発生の予測も出来るかも。

と、まあ、そういう話でした。

あやせはあやせで、全く同じような話を拓巳にしていましたが、

彼女はひたすら、渋谷に若者が集まるのは大いなる意志によるものだ、と話していました…拓巳は全く理解できず戸惑うばかりです…可哀想、拓巳。

しかも彼はそういう話じゃなく、ディソードの手に入れ方が知りたいのです。

業を煮やし、ディソードの手に入れ方を教えてくれ、と改めて尋ねますが、

彼女は教えられるものではない、自分で見付けるしかないとバッサリ。

でも、剣が見えている以上、拓巳にもその力があるとだけ彼女は言い、また会いましょうと別れの挨拶を述べて去っていきました。

ベースに帰ると、

グリムからメールが。

そこには犯人が撮ったと思われる映像が出回って祭りになっているから見てみろ、と記されていました。

恐々開いてみると、

それは集団ダイブの直前の被害者を撮った映像だとわかりました。

唯一、他殺なのか自殺なのか、判断がついてない事件。

5人は騒いだり喚いたり、興奮していて何やら常軌を逸した精神状態だと伺えます。

撮影者は5人に接近していきます…5人は泣き叫んでいました。嫌だ嫌だと泣き、震えるその姿。なんでこんなことをするのか、と撮影者に向かって訴える者も居ました。

撮影者は黙ったまま、ゆっくりと彼らに接近していきます…何かが軋む音。

するとさっきまで泣き叫んでいた彼らは途端に沈黙し、立ち上がります。

そして彼らは手を繋ぎ…

彼らの1人がぽつりと「その目誰の目?」と呟き、彼らは躊躇いなくタワーの屋上から転落しました。

拓巳は戦慄していました。

やはり集団ダイブも犯人が存在していた。

そして、その犯人…撮影者が何者か、拓巳は理解していました。

何かが軋む音…車椅子の音。将軍。

カメラの目線も今にして思えば低く、車椅子から撮られたものである、と示していました。

 

・第五章『妄想』

拓巳は追い詰められてました。

身の危険を感じ、精神的に追い詰められながらも、登校している自分に釈然としないものを感じていましたが、

梨深に心情を吐露して、

自分が、1人で居るのは怖いと感じていることに気付く拓巳。

そんな拓巳に、出来るだけずっとそばに居てあげると、自分は味方だと優しく背中を撫でてくれる梨深。

なぜなら自分は友達だからね、と見返りなく優しくしてくれる彼女の存在は、拓巳にとって救いであり、とてもありがたい存在になっていました。

出来る限り一緒に居てくれるという申し出をありがたく受け取り、拓巳は将軍の妄想に怯えながら梨深と家に帰ります。

ちなみに現在の拓巳は主に将軍の存在、拓巳に自首を促す優愛、冤罪で拓巳を追う警察に怯えています。

ていうか警察が本気なら、とっくに捕まってるだろと思うのですが、そこら辺は追い詰められている拓巳には判りません。

梨深はいちいち何かに怯える拓巳を安心させながら付き添ってくれる梨深とベースに帰り、調べ物をし出す拓巳。

彼の最優先課題はディソード入手。

入手する方法は不明のため、

あやせやセナから得た、か細い手がかりから探らなくてはなりません。

ディソードは妄想。

妄想を具現化する方法の模索…そんな話をしていると、梨深は何を言っているんだか、という感じで適当に相槌を返すのみです。

アメリカの特許うんぬんという具体的なソースがあるセナの情報から辿って、

彼は例のチームが、

思考盗撮に近い事が出来る技術を確立させていて、特許も取得していることを発見しました。

しかもアメリカでは思考盗撮被害を訴える訴訟も起こっていて、思考盗撮どころか、自分の脳内に人工的な夢を見せられただのも書かれていました…それが国家ぐるみで行われていた、と。

訴えた方がアレだったのか…それとも。

しかしこういう技術が確立されていたとして、

ではあやせやセナが自分に見せたディソードや、それにまつわる具現化された妄想はどういうことなのか。

彼女達は力だと言っていて、その超常的な力が拓巳にもあるかもしれない。それに目覚めなくてはならないというのは…。

ディソードの話、妄想を現実世界に投影する話などをして、梨深としばらく過ごした後、彼女は飲み物などを買い出しに出かけます。

その間にグリムから第5の事件が起きたとチャットで知らされる拓巳。

昨夜発見されたという被害者は脳を取り除かれて死んでいたという、これまた猟奇的な事件なのですが、

死因が衰弱死らしく、どうやら脳を取り除かれた状態で、体が衰弱するまでしばらく生きていたらしいと判っているそうです…怖い。

事件名は『ノータリン』とネットでは命名されており、被害者は精神科医…。

精神を診る医師の脳を取り除くなんてすごいメッセージ性だと沸くグリムですが、

その文字に戦慄し、気が乗らないながら、自ら調べてみる拓巳。

彼が予感した通り、被害者は高科先生でした。

これは将軍の挑発だと狼狽し、パニックを起こした拓巳は泣き喚きながら梨深に助けを求めます…なんだこいつ。

こういう人の相手をするのは、本当にすごく愛情と根気がないと無理ですね…。

優しく手を差し伸べてくれる梨深の手を暖かいと感じながら、

ディソードを手に入れるまではこの手を離したくないなどと考えるクズの拓巳。

本当になんなんだこいつは、もう第五章なんだから、いい加減クズから卒業して、普通くらいになって欲しい…。

クズと梨深はさておき、

夜の宮下公園では、うつろな目をして「その目誰の目」と言い続ける不審な集団がいました。

集団の少し離れた所にいるリュック男。

その場にはなんらかの機械音が響いています。

そこへセナがやって来て、ディソードを構えると、男に「波多野はどこだ?」と尋ねます。

末端らしい男は知らない、と答えますが、

はなから答えなんて期待してなかったらしいセナは、男が背負ったリュックを破壊します。

中にはグチャグチャに壊れた機械がスパークしていました。

拓巳は次の日も学校へ行きましたが、

あやせに剣を早く見つけろとまた催促されたり、梢がドジっ子して、女子にうざがられたりしているのを目の当たりにしたくらいなもので。

判はフリージアという調査会社の社長・百瀬の元を訪ねていました。

判と百瀬は知己の間柄で、ニュージェネの新たな情報について尋ねにきたようです…どうやらGEレートも百瀬から聞いた話だったようで。

しかし詳しくはまだ理解できていないし、突飛な話題なので警察の上層部に説明も出来ないので個人的に調べている、と判が話すと血相を変える百瀬。

どうやらニュージェネ事件は、政治、宗教、企業が絡むかなり危険なネタらしく、

GEレートの講義をして、世間に渋谷のGEレートが異常値を示していると公開したというだけで、

まるで見せしめのように張り付けの被害者になったものもいるのだからと声を荒らげます。

そして裏には与党…明和党が絡んでいるとまでほのめかす百瀬。判はそれでもこの事件を追う様子でした。

週末、ベースで過ごす拓巳。

心の支えである梨深にメールで「来て欲しい」と何度も送ろうとしますが結局出来ず、

ネットを徘徊していると、

あやせが、

重度の精神病患者だけを対象とした精神医療施設に入院していたというネタが祭りになっていました。

ものものしい鉄格子が嵌められた建物が写った古いホームページの中に、幼少のあやせが書いた詩と写真が写っているというソースを目の当たりにした拓巳は、

やはりあやせは自分と同じだ、と共感します。

共通点が見出だせたことで、自分があやせと同様、ディソードを見付けたり、妄想を具現化する力があるかもしれないという励みになりました。

でも一方で、彼女の言葉を全部鵜呑みにしていいものか?という考えも脳裏によぎります。

彼女が見せた現象は信じるが、語った言葉は…妄言の可能性がある、ということです。

その時、携帯が鳴り、どうせ七海だろと何も考えずに電話に出る拓巳。

電話の向こうから通りゃんせが流れてきて戦慄します。

よく見るとあのイタズラ電話の番号からかかっていました。そんな馬鹿な、「現在使われてません」って言ってたのに…。

一方、優愛の視点。

教室内で突如、異変が生じます。

数名の生徒達が白目を剥き倒れて、

頭を抱えていて苦しんでいる者もいて、

次々と廊下へ出ていく生徒達。

優愛の元には何者かからの電話が入ります…会話をしていますが…。

何かが起こったようですが…一体何が起こったのでしょう。

 

・第六章『Noah』

警察署では判が捜査会議を終え、諏訪が会議に参加せず独断で聞き込みをしているのを電話で咎めた後、

強い地震に襲われます。

そして頭が割れそうな激しい頭痛、空を見やると眩しい程に白く光っているようでした。

一方、ベースの拓巳は気絶していたらしく、目を覚まします。

部屋はめちゃくちゃになっていて、

あろうことかPCはデータ破損していました。

彼は激しい頭痛に苛まれつつも、再フォーマット作業とやらを始めます。

どうやら渋谷を震源地とする、震度5強地震があったらしい。ひどい地震ですが、今回の地震は異例でした。最終的に死亡者100人以上というその多さです。しかも死因は不明。

普通、震度5強でそこまで人は死なないでしょう。

そして、この地震発生と共に、白い閃光。

その後、空が白く変色したという現象が目撃されていました。

なんとかPCの復旧作業を終えた拓巳は、ネットから渋谷に地震が起きた情報を得ていました。

しかし、到底ただの地震だけではない…拓巳達被害者は、白目を剥き泡を吹き、気絶する程の激しい頭痛に悶絶していたのです。妙に多い死者達はこれが死因でしょうか。

グリムが入ってくるかも、と、

チャットルームを開いていたらそこへ将軍が入室してきます。

恐慌状態の拓巳は、助けを求めて梨深に電話をかけます…普通、ヒロインの身を案じて、だろ…なんと情けない…。

しかし梨深は電話に出ません。

パニックの拓巳はオモチャの剣を握りしめますが、何の意味も無く、

そうこうしているうちに将軍は「プレゼントを贈る」というメッセージだけを残して退室していました。

拓巳は1人でいるのが怖くなり、梨深を始めとする、人を求めて学校へ向かいます。

学校へ行く途中、彼は自分の感情が昂っていて、なぜかふとした衝動で、人を殺してしまいそうな気持ちになっていました。

飼い主から逃げ出したと思われるチワワが横切っていきましたが、チワワもまるで狂犬のような表情で駆けていきました。

明らかにやべームードが漂ってますが、

たどり着いた学校は更に異様な雰囲気に包まれてました。

あやせが屋上の縁に立っていました。

それを下から見上げている生徒達は、なぜだか残酷なショーを楽しみに待っており、

あやせが飛び降りるのを今か今かと煽っています。

精神病だとバレてしまったことで、精神状態が悪くなってしまったらしいあやせは「自分は飛べる」と言い出して、こんなことになっているんだとか。

屋上のあやせは、この世界が人々の悪意の妄想に満ち溢れている事、

自分が望み、探し求めた救いの手がいまだ差し伸べられない事、

グラジオールの胎動が活発化し、もう時間が無い事に絶望しているようです。

…すいません、何を言っているかよく判りませんが、とにかくあやせは絶望しているのです。

空はなぜか赤錆色で、これは彼女が見ている妄想でしょうか。

そしてあやせは足を前へと踏み出しました。

拓巳はそれを見上げながら、

自分にはあやせを助けられない。彼女は数秒後、地面に叩きつけられ、残酷に体がグシャグシャになって死ぬだろう。

(せめてそこに花壇があったなら)

と、無意識のうちに思い描きます。

その瞬間、彼はうなじの辺りにチリチリとした感覚を感じ…いつもの視線…その目誰の目。

そして衝撃音。

でも音は想像よりずっと控えめな音でした。

見守っていた生徒達は驚きます。

あやせは花が咲き誇る花壇の上に着地しており、ほぼ無傷で生きていました。

そこはほんの一瞬前まで、アスファルトの駐車場であり、花壇なんて無かったはずなのです。

しかもそれはまぎれもない本物で、失われる様子もなくそこに在り続けているのです。

僕がやったのか?

拓巳は慌てて公園まで逃げていました。

彼は自分の妄想が現実になったのかもしれない、という事を理解していました。

そこへセナが現れ、

「お前がやったんだな。お前は天成神光会と関係があるのか」と問い詰めてきます。

敵意剥き出しで、セナがこの天成神光会とやらを憎んでいることが伺えます。

本当に聞き覚えがなくて首を左右に振る拓巳に、セナは、

「あんなのはあり得ない。ディソード無しにエラーを現実にするなんて」と述べます。

拓巳のその途方もない力はどこから教わったのか?知りたがるセナでしたが、拓巳に判るはずもなく、

ともあれ天成神光会と関係がないならいい、とセナは問い詰めた事を詫びます。

拓巳はあの力について逆に聞いてみます。

妄想を投影、つまり幻を見せる程度。それは理論上可能だと思っていた拓巳ですが、

でも花壇は幻ではなかった。幻なら助かっているはずはないからです。

まさか妄想が実体化するなんて想定外です。

セナは端的に、ディソードは端末であり、普通、ディソードが無くてはエラーを作ること自体、出来ないことだと語り、

これ以上、エラーを作らない方が拓巳の身の為だと警告します。

…まあたぶん知らない方が良いっていう意味ですよね。

拓巳はベースに戻ると、メールを開きます。

それは将軍からでした。

将軍がPCのメールアドレスまで知っているなんて…いや、思考盗撮とかしてくる相手なら把握していてもおかしくないのか…と焦る拓巳。

将軍は次は七海の番だと言い、今日の21時にオーフロントの屋上に来い、と、

そこで七海を救ってみせろと拓巳を煽ります。

そして追伸に「プレゼントは受け取ってくれた?」という文面でメールは終わっていました。

拓巳は怯えますが、さすがに七海の身が心配になり、携帯に電話をかけます。

すると、なぜかベースの中から携帯の着信メロディが聞こえてきます…怖い!

拓巳はこのタイミングで聞こえてくる着信メロディにビビりますが、なぜかその音の元凶を探そうとはせず、電話を切ります。

着信メロディらしき音も途切れました。

もう一度七海に電話すると、また聞こえはじめる着信メロディ。

震えながら、拓巳はその音の元凶らしき箱を部屋の中から発見します。

ガムテープで蓋がされた簡素な段ボール箱

これは拓巳が学校に出かけているわずか1時間程の間に何者かが置いていったもののようでした。

この箱を開けなくては…イヤだイヤだこんなの無理だと苦しみながらも、

それでも七海は妹だ。と、ようやく彼女の身を案じて箱を開く拓巳。さっさと開けろよ…。

中にはアルミホイルに包まれた塊が入っていて、携帯の着信音はこの中から聞こえてきます。

意を決してアルミホイルを開く拓巳。

その中には携帯を掴んだ手首が入っていました。か細い手。女の子の手です。

その手首には、拓巳とお揃いの携帯、そして手首には拓巳から貰って大切にしていたバングルが付いていました。

絶叫する拓巳。

さて、とある場所…NOZOMIとモニターに書いてありますが…では何者かが、何者か達に『ノアⅡ』という代物について解説していました。

片方は元医師で研究者然としています。

それを聞くもう片方達は大物政治家のような感じ。

彼らは300人委員会を恐れながらも、委員会を出し抜こうという目的のもと、ノアⅡを用いたとある計画が進行中のようです。

300人委員会というのは、世界を陰で動かしているとされる秘密組織で、

彼らは最終目的…『世界人間牧場計画』を目指しているそうです。要するに世界をディストピア化するつもりですね。

そんな陰の支配者『300人委員会』を恐れて表向きは従っているけれど、その最終目的に賛同してはいない、というのが彼らのスタンスでしょう。

なお、あの地震はノアⅡ研究の一環だったらしく、政治家の方は事前にそれを知らされていなかったようで、それを咎めています。

もみ消す方の身にもなれ、と。研究者の方は、技術の進化に犠牲はつきものだと笑います。

さて、ノアⅡは仕組みは省きますが、

広範囲のエリアにいる人に幻覚を見せる装置のようです。しかし見せられている方は直接脳に送り込まれる映像を、現実だと判断してしまう、と。要するに妄想を投影し、現実だと認識させる装置のようです。

それはギガロマニアックスと同等の力、いや近い将来それ以上の能力を発揮できるようになるだろう、と。

政治家が…無差別にただ洗脳電波を垂れ流すような代物では無意味だぞ、対象はある程度選定できなくては。と尋ねると、

それは問題ないと研究者は言い、

彼が『ポーター』と呼ぶ部隊を見せます。リュックを背負った男達。

それはある時セナが対峙した、リュックに入った機械を背負った男のような感じです。

このリュックの中にノアⅡのパルス波を送受信するポートが入っており、リモートで周囲へと放出する仕組みだそうです。

なので一定の選定は可能らしいです。

彼らが行けるところならどこでもOKとなるので有効範囲の制限など無いに等しく、限定的使用も可となる。

政治家は、300人委員会に気取られないようにノアⅡの研究の続行を指示します。もう何人犠牲が出てもいとわない、と。

拓巳は、怯えながらも、七海を救うために将軍に言われたようにオーフロントの屋上へと向かっていました。

渋谷の街は何かのイベントでもあるらしく、人がたくさん集まっています…人がたくさん死んだばかりなのに…と拓巳はそれを見て嫌悪感を感じていました。

懐には星来のフィギュア。彼女の声が何度も、もう七海は死んでしまっただろうし帰ろうと拓巳を促しますが、

なんとかたどり着きます。

将軍は、屋上から下を見てみろ、と命じます。

下にはさっきの群衆。

そしてマスコミ。

なぜか拓巳の姿が近くの巨大モニターに映し出されていて、

拓巳を見るために人やマスコミが詰めかけていることが判明します。

訳が判らない拓巳に、

将軍は、覚醒するのにうってつけの舞台を用意したのだ、と言い、拓巳に今この場でディソードを見付けろと促します。

そうしたら七海は帰ってくる。

一歩でも後ろに下がったら七海は二度と戻らないと思え、と。

ディソードを見付けることには成功したものの、しかしどうしてもそれを掴む事が出来ない拓巳は、

星来の甘い言葉の誘惑で、あっさりディソードを手にすることを…七海の事を諦めます。

星来に意思があるわけじゃないから、彼女の言葉は拓巳の無意識的な弱い心、逃げたいという気持ちの現れだと思われるため、本当にこのシーンには呆れます。

将軍が、ディソードを手に入れなくては、七海を殺すぞと脅しますが、

自分は妹1人助けられないキモオタであり、期待するな、どうせ出血多量とかでもう死んでるんだろと、返す拓巳。

そして血塗れの七海を妄想してパニックになり、将軍に襲いかかりますが、

そこに将軍はおらず、車椅子とヘルメットが落ちているばかりでした。

 

・第七章『psychopath』

拓巳は病院のベッドに寝ていて、幼少の七海が、甲斐甲斐しくお世話をしてくれているシーンの夢を見ていました。

でも自分は通院はしたことあるが、入院した事実はない…はずだが…。食事を食べさせようとする七海に拓巳は辛く当たって、

それでも七海は嫌な顔一つせず、文句ではなく、彼をたしなめて、優しくしてくれていました。

拓巳は病院のベッドで目を覚まします。

葉月が巡回に来たので精神科の病室のようですが…。

あの後、報道陣に囲まれた所までは覚えている拓巳ですが、なぜここに担ぎ込まれたのかはよく判らない。

結局、昨夜の騒ぎは拓巳がエスパーでニュージェネ犯人を透視する!と言い出した事になっていて、

外国の有名なエスパーのお墨付きまで貰ってたので、各報道局は特別番組を編成、

集まった人たちは拓巳のファン(?)ということになっていたようです。

つまり西條拓巳の盛大な釣りだったと世間は結論付けていて。

拓巳はニュースでもネットでも叩かれまくってました。

そんなことより、七海が死んでしまった…と嘆く拓巳。

失ってから七海の優しさ…キモオタの自分に対して、兄として、1人の人間として接してくれていたことなどに今更気付き、涙する拓巳に、

葉月から「妹さんらしき人なら昨日、お母さんと一緒にお見舞いにきて、帰っていきましたよ」と伝えられ、

なんだ、将軍の釣りだったのか…と、

心底ホッとします。

ホッとしたので、彼はさっさと病院から家に帰りました。

七海や母親達が再びお見舞いにくるまで待とうとしなかったのは、

世間の晒し者となって合わす顔がなかったのと、七海の顔を見たら号泣してしまうだろうと考えてのことです。

…いやまず何はなくとも七海の生存を確認しろよ…なにが恥ずかしいだよ。

さて。

地震の翌日。

世間では第6の事件『美味い手』が発生していました。

20代女性が自分の手を食べて、喉を詰まらせて窒息死…だそうです。

拓巳は1週間停学処分を受けて、そして停学明け。

学校へ行きます。

本当は学校などもういっそ辞めても良いのですが、それでも彼が学校へ向かったのは梨深に会えると考えてのことでした。

停学中、拓巳の所へは誰も訪ねてきませんでした…七海も梨深も。

誰にも会いたくないとうそぶきつつ、孤独には耐えられない拓巳は、梨深に優しくして欲しかったのです。もしかして、あの騒動のせいで愛想を尽かされたのかも…と思いつつ、登校。

教室のいわゆるDQN層が拓巳を煽ります…最悪です。

拓巳は必死でこらえますが、教室に梨深が居ないことに絶望します。

梨深は…最初に現れた時も突然現れて、

今、また突然消えてしまい、もう二度と会えないのかもしれない…そもそも実在していなかったのかも。

やけになった拓巳は、自分にはもう失うものはない、何の価値もない…あのDQN共を殺すか…と破滅的な気分で彼らのところへ行こうとします。

すると、

「価値ならあるよ!」と脳内にアニメ声が響きます。

あやせを救ったのも拓巳だと知っているらしいアニメ声の主。

幻聴か?

と考えながら拓巳は教室を見回します。

相手は拓巳の心を読み、

「幻聴なんかじゃないのら!妄想でもない、こずぴぃはここにいるよ」と、現実では少し痛いアニメ系の台詞を披露。

拓巳は思わず大声で返答します…クラスのみんなはドン引きです…。

こずぴぃは、「むしろ、拓巳の事をひどく言うクラスのみんなの方が価値がない。良いと思うのら、殺しても」などと明るい調子で言い、拓巳をゾッとさせ、彼は頭を抱えるのでした。

一方、フリージアを訪ねる判と諏訪。

百瀬は、ここ数年GEレートが人為的に操作されている可能性に気付き、

更に、地震の際にGEレートが急上昇していた事も調べていました。

それらの事から、地震の影響で電磁波が起き、渋谷中のパソコン類に異常をきたしたと世間は考えているが、

実際は渋谷中のパソコン類が異常をきたす強力な電磁波の影響で地震が起きたと推測できる、と彼女。つまり天災でなく人災だと。

そして、地震当時謎の発光現象があったことは事実なのに、それは報道からやがてシャットアウトされるようになった…圧力がかかっているとしか思えない…やはり明和党が関わっている、と。

しかし百瀬の調べもここまで。

判は、なら別の視点から調べてみようと提案します。GEレートは決まって週末に上昇します。それで得するのは誰か、という視点です。

拓巳は街中でDQNに絡まれてしまいました。

路地裏に連れ込まれ、ボコボコにされます。

彼らの台詞によれば、それは何者かから依頼されたものだと判ります…将軍の差し金かな。

ボコボコにされ、視界が暗くなる拓巳。

梨深が消えたこの世界にも、とことん駄目な自分にも嫌気が差していたので、

彼は心から死にたいと思っていましたが、しかし死にたくないとも強く思っていて。

心の中で許しを乞いながら、殺してやりたいと思っていて。

真っ暗な視界の中、なぜか突然怯え始めるDQN達。

そして彼らは悲鳴をあげ始め、ボコボコにされる音だけが辺りに響くのでした。

場面は『将軍』のいる病室へ移ります。

枕元にはゲーム機、棚には学術書、そしてコスモスの花が生けられている。

そんな病室に梨深がやって来ます。

梨深は『将軍』に「もうやめよう?あの西條拓巳は消すべきだよ」と語りかけます。

あの拓巳は危険だから…なんだったら自分が消そうか?と悲痛な面持ちで続ける梨深に、

「彼にはやってもらわなくちゃいけない事がある」と将軍。

「いつかあなたは、あの西條拓巳に殺されちゃう」と梨深は続けますが、

「それでも構わない」と将軍は静かに語りかけるのでした。

一方拓巳は、路地裏で目を覚まします。

DQN達は顔の原型を留めない程にボコボコにされていて、誰がやったのかと戦慄していると、

傍らには折原梢が居て、彼女が例の『こずぴぃ』であり、テレパシーが出来る事が判明。

ズタボロのDQNを誰がこんなにしたのか…そこら辺のことは放置して、場所を移動しながらこずぴぃとトークタイムです。

口では話さずテレパシーでしか会話をしない彼女と話していて、

梨深が、地震の日に青い顔をして早退して以来、登校していないことが判ります。

となると、拓巳が突如として出現させた花壇を見て、これはヤバいと判断した感じですね。

しかしそこら辺は判らない拓巳は、素直にじゃあ登校を続けていれば梨深とまた会えると解釈し、それまでは頑張って登校するぞ、とホッとします。

こずぴぃはそんな拓巳に、梨深は何かおかしいので気を付けた方が良いと述べますが、

拓巳からすれば、梨深は信じられるととっくに結論付けているため、脳内で強く反論し、

会話は別の方向へ。

こずぴぃがディソードを持っている事が判明します。

分厚い鉄板のような無骨な大剣を取り出して見せる彼女を見て、

ふと拓巳はさっきのDQN達の事を思い出します。

こずぴぃは無邪気に可愛く「あんなひどいことする人たちは死んで当然だよ、ぷんぷん」と言いますので、あれをやったのはこずぴぃなのか?と、ゾッとしつつ、

彼らは死んだのか?と尋ねる拓巳。

こずぴぃはそれは否定し、

でも生きてる価値も無いゴキブリのような奴らであり、殺したかったなあと、普通の会話のようにさらさら言います。

そこに感情の起伏のようなものは全く感じられません…。

ボコボコにしてやり過ぎたかな、とかそういう悪びれた感じもないし、

ただ悪者を退治しただけで何も間違ったことはしてません、という感じ。

彼女は歪んでいるかも、と思いつつ、

話はディソードを手に入れた経緯について。

彼女は、いつの間にか景色の中にディソードが見えるようになっていたと話し、

拓巳からどうやって手に入れたのかと聞かれてこう答えます。

「ただ願っただけ。殺してやりたいって。そして手を伸ばしたら掴めた」と。

拓巳はゾワゾワしながらも、殺してやりたいと願って、剣を手に入れて…そして殺したのかと聞くと、

梢は出来なかった、と言います。

良心の呵責かな、とホッとしたプレイヤーに、彼女は「こずぴぃの力では半殺しにするのが精一杯だった」と、追い討ちをかけてきます。

薄々気付いてましたが、こずぴぃは完全に壊れてる。

図らずも西條氏とほぼ同時にプレイヤーはそう思いました。

拓巳は、僕もこのくらい壊れないとディソードを手に入れられないのかな、と彼は思います。

こずぴぃは、小さい頃から人の心の声が聞こえていて、それは誰にも言っちゃいけないと思い隠していたましたが、周りからは気味悪がられていました。

手に入れたディソードについて彼女は長らくやはり怖いとは思っていましたが、渋谷で1人のホームレスと会話して肯定的に捉えるようになったと拓巳に明かします。

そのホームレスは『世界は終わる』と書いたボードを持って、死んだように座り込んでいました。

そしてディソードは見えないけど知っているし、元々は自分のせいで、そしてもはや自分には忠告しか出来ず止められないのだと、悲しげに脳内で呟き返してくれたのだ、と。

最後にそのホームレスは、

こずぴぃ達のようにディソードを持った子供達は特別な存在である、とこずぴぃに語り、

その中でも一番特別なのは、その目誰の目?を産み出した少年だと言っていたと拓巳に教えます。

そんな会話をしたところで、こずぴぃがセナを発見し、声をかけます。

ディソードが見えるきっかけで出来た友達だと言う梢に、なんやかんやで梢に優しく、親しくしているセナを見て、『貧乳姉妹』とタグを付ける拓巳。

改めてセナからギガロマニアックスやリアルブート、ディソードについての詳細な説明を聞かせてもらいます。

ギガロマニアックスとは能力者。

リアルブートとは、自分の妄想を他人にも『見える』と認識させることで、噛み砕いて言えば妄想を現実化させること、

で、ディソードはディラックの海に干渉するための触媒であり、普段はギガロマニアックスにしか見えない妄想の剣。

リアルブートしなければ、普通の人には実体化していないため、見えないし、当たっても何も起こらない。

セナは、普通に生活したいなら、なるべくディソードを出したりせず、エラーを作ったりもしない方が良いと、拓巳と梢に警告します。

妄想を現実にする行為は当然リスクが高く、

現在の状態とのズレが生じていき、やがてその矛盾により、自己の崩壊が生じる…つまり命に関わると。

更に、ギガロマニアックスの力を悪用しようとしている者達もいて、目をつけられたら危険だと彼女。

ひとしきりそういう話をしたあと、梢は帰ります。

残ったセナと、ギガロマニアックスの能力や梢について話しているうちに、

セナはギガロマニアックスとなったものは、誰もが一度心が壊れているのだと、前置きして、

梢の過去について話し始めます。

それは梢が引っ越してくる前の話。

梢は『ヤツら』に追い詰められて心を壊したのだ、と。

彼女は物心付いた時から他人の心が見えていました。でも彼女はそれを誰にも明かさないことで、表向きは平穏に暮らしていました。

しかし高校に入ってから、彼女は『鏡』の反射光が目に当てられる機会が徐々に増えていることに気付きました。

最初は一日に二回程度でたまたま、という感じでしたが、段々とその回数は増えていき、

それが、梢に鏡の反射を向けながら含み笑いをするようになっていき、そして心の中で「お前は誰?」と語りかけるようになってきたのです。

しかも毎回違う人間。

それがどんどん増えていく。

疑心暗鬼になった梢は、やがて鏡を持っていない人ですら、お前は誰?と言ってくる錯覚に囚われるようになりました。

ノイローゼになった梢は、ふと鏡に写った自分に「お前は誰?」と呟いてしまいます。

その瞬間、鏡に写った少女が自分だと判らなくなる感覚に恐怖し、

そして彼女は以来、声を出せなくなり、鏡も見れなくなってしまいました。

そんな風に追い詰められて梢の心が限界に達した時、

クラスメートの女子達が、ひそひそ会話をし、含み笑いしながら、手に持っていた鏡。

お前は誰?とどこからともなく聞こえる声。

それは幻聴だったかもしれないし、偶然鏡を持っていただけで故意ではなかったかもしれない。

でも、彼女の目に鏡の反射光が入った瞬間、もう限界だった梢の心は壊れてしまいました。

梢は絶叫し、視界の端のディソードを掴み、

クラスメートに襲いかかり、リアルブートさせたディソードで鏡を持っていた右手を斬り落としていました…。

次の日、拓巳はやはり学校へ行きます…それはやはり梨深に会うため。

果たしてそこには今までと変わらない態度で接してくれる梨深が居ました。

大企業・希グループの社長である野呂瀬は、

臆病な老人の相手はうんざりだが、そのうち支配構造は変わるぜ!と何者かにぶつくさ言ってました。

何者かはギガロマニアックスらしく、

野呂瀬はノアⅡの為に、ギガロマニアックスのサンプルが欲しいと語りかけています。

サンプルが多ければ多いほど、ノアⅡの機能はギガロマニアックスに近付き、やがて超えるだろうと。

 

長くなってきたので一度区切りますが、終わるのかなこれ。