ゲームの想い出ノート

ゲームはクリアしたらほぼ手放してしまいますが、ゲームの想い出が薄れていくのは寂しいものがあります。このブログはゲームの想い出が風化する前に形に残したいと考え、綴ったものです。評価やプレイ日記というより、あくまで想い出なので記述内容に偏りや、想い出補正があります(特に昔プレイした作品)。ゲーム攻略の参考にはなりません。

ブレス オブ ファイアⅤ ドラゴンクォーター(PS2・2002)

・竜に捧げられたRPG第5弾。

名作RPGブレスオブファイアシリーズの第5弾です。

竜に捧ぐというのは『3』のキャッチコピーですが、私の中でのみ勝手にシリーズ全部、竜に捧げられたRPGと呼んでます。

6以外プレイ済です。

6は私がようやくスマホでゲームできる環境が整った頃にはサービス終了してたのでどうにもしようがありません。

 

BOFというより、ドラゴンクォーター。

この作品は、

ブレスオブファイアシリーズの第5弾というよりは、『ドラゴンクォーター』というBOFとは異なる作品である、という説がどこからか飛び出すほどのシリーズ随一の異端児でした。

あまりにも異端過ぎて発売からほどなく、『アンリミテッド:サガ』と仲良く肩を並べて投げ売り価格で鎮座している姿を当時ゲーム屋さんで見かけた人も多かったと思います。

そして、そういうあまりにも無惨な結果過ぎて…かどうか知りませんが、BOFシリーズは次の6まで長く潜伏することとなりました。

…いざスマホゲームとして世に送り出された6がどういうゲームだったかはサービス終了した今となっては、もはや知る由もありませんが、

一年ほどで終わった所を鑑みると推して知るべしということでしょうか。もう7は私が生きてる内はお目にかかれないかもしれませんね…。

 

・何をもって異端児とするか?

よく言われるのが、

まず従来作品の世界観からの大幅な変更です。

4までは世界観にSFっぽいところも少なからずありましたが、基本的にはいわゆる王道的な剣と魔法のファンタジー世界に、重要な要素として毎回竜が存在するというものであり、

その世界観を下敷きに、ゆるいほのぼのした雰囲気と重たい展開や鬱要素が絶妙に絡んだシナリオというのがシリーズ共通の特徴として捉えられていました。

しかし本作では、ファンタジーというより完全に近未来SFに舵をきってあります。

シナリオは徹頭徹尾重苦しく、ハードであり、鬱であったり悲惨な展開も多いです。シナリオ中にほっと気の休まる瞬間など全くと言っていいほど訪れません。

そんなシナリオに、更にゲームシステムがプレイヤー心理に追い討ちをかけます。

とにかく初見ではまずゲームクリアまでは行けません…というか、それを見越したゲームシステムやバランスの構築が成されています。

そして、4までのブレスオブファイアを知っている人ならば、『BOFと言えば釣り』という事はもはや常識的に頭に入っていると思うのですが、

5にはかつての主人公リュウ達が共通して趣味としたあの『釣りゲーム』が存在しません。従来作品の主人公達にも、これでもかと悲しい出来事や辛い展開が訪れますが、彼らはいつでも釣りで息抜きが出来ます。

5のリュウはそれすら許されない厳しい世界を必死で前へ前へと進まなければなりません。振り返ることすら、シナリオとシステム的にほとんど許されてません。もはやこれだけで泣けてきます。

そして、ゲームシステムも従来作品とはかなり毛色の違うシステムが多く見受けられます。これに関しては後述します。

ざっくりとですが、これが5がシリーズ随一の異端児とされる主な理由です。

 

・ SOL (Scenario OverLay)。
「SOL」(ソル)と呼ばれているシステムで、これがいわゆる繰り返しゲームを行うためのシステムで、ゲームオーバーまたはゲーム中で『ギブアップ』を選択した時に発動するものです。

発動すると最初から、または最終セーブポイントからゲームをやり直すことができ、その際、それまでのプレイでは見られなかったシーンが追加されることがあり、

こうやってプレイを繰り返すことでより深く物語を理解できる仕組みになっています。

さらに装備品や所持金などの引き継ぎも可能となっていて、次回以降のプレイを有利に進められるようになっています。

なので、シナリオが初見でクリア出来ないようなシビアなバランス取りをされているのは、このSOLありきでゲームを構築されているためという事になります。

たぶん、現在では割と理解しやすい要素だと思うのですが、当時は結構斬新だったのではないでしょうか。

もちろん、SOL使用無しでのクリアも可能で、そういったやり込みプレイも存在しました。

(このやり込みプレイに関しては『ファーストプレイでD値1/4を目指す』という、達成しただけでもものすごい栄誉だと思うのですが、更にそのエッセンスを論文にまとめた方がネットの海におられまして、当時拝見して世の中には凄い人がいるものだと驚くばかりでした。)

 

・D-カウンター。
物語のある時点から、画面右上にD-カウンターという数値が常時表示されるようになります。

この数値は主人公リュウに対する『竜』の侵食率を表していて、単位は%です。

このD-カウンターはゲーム中、移動や戦闘などとにかくあらゆる行動をすることで、徐々に上昇していき、D-ダイブなど竜の力を使用した場合、数値が大幅に上昇します。

ゲーム中で一度上昇してしまった数値は減少させる手段は一切存在せず、D-カウンターが100%に達すると問答無用でリュウは、竜に侵食され尽くしてしまいゲームオーバーになります。

本作主人公リュウは、従来作品でのリュウと大きく違って、竜そのものではなく、竜とリンクしている状態です。しかも力を使えば使うほど竜が侵食してしまう状態になっています。

竜の力をふるうのはおろか、歩くだけでも侵食する状態なので、初回プレイではこのD-カウンターの管理が全くよく判らず、とにかくかなり緊張感を煽るものとなりました。

最初など冗談でしょ、と思ってわざとすぐ100%にして、本当にゲームオーバーになるか確認したくらいです。

SOLをうまく繰り返すことで、キャラクターも有利になりますが、プレイヤーもまるでタイムリープしているかのように、経験をかさねプレイスキルや知識が成長していきます。

どこで竜の力を、どの程度ふるえばいいか?といったものも感覚で理解できてきます。

このゲームバランス取りが実に絶妙なゲームだったと思います。

D-カウンターが100%に達する前に最終局面まで突入すると感動のエンディングを迎えることができます。

プレイヤーは筆舌に尽くしがたい壮絶な道を、覚悟と信念をもって歩んできたリュウを、

その非常ともいえる過酷なゲームバランスの世界をプレイすることでかなり感情移入して見続けてきました。

その旅の終わりです。

まず泣くしかないエンディングだと思います。

この感動のエンディングですが、な、なんとWikipediaにほぼ書かれています。というかシナリオほぼ丸々全部あらすじで書かれています。

文脈を追うだけで「泣きすぎだよ」とニーナに語りかけるリュウの声も空耳で聞こえてくるようでまたも泣けてきます。

 

・D-ダイブ。
物語のある時点、つまり竜とリンクした時から使用可能となるリュウの特殊能力で、いわゆる従来作品での竜変身です。

戦闘中、任意に『ドラゴナイズド・フォーム』と呼ばれる赤い竜人のような形態に変身でき、

変身中は各種ステータスが大幅に上昇し、とにかくかなりバトル面で有利になります。

使用できるスキルはD-チャージ、D-ブレスなど、ドラゴナイズド・フォーム専用のものに変化し、実質的に戦闘においてほぼ無敵の状態となりますが、

当然、D-ダイブや専用スキルを使用するとD-カウンターが大幅に上昇し、

ゲームオーバーがものすごい勢いで近付いてくるため、使いどころはプレイヤーが見極め、ここぞという時にしか使えたものではありません。

特定の戦闘を除き、『クールダウン』でいつでも人間の姿に戻れます。

 

・D-RATIO。
主人公・リュウのD値というものを表すものです。

この世界では『D値』というものが存在していて、人々は出生時にこのD値を計測され、名前の後ろにD値が付加されます。

D値は潜在能力を示す数値と作中の人物達には説明され、その数値によって就ける職業や居住区が決定されます。ここら辺がこれまたSF的で、近未来管理社会ディストピアのような世界になっています。

このD値が高いものは上層区への居住を許され、政府の要職に就けるなどエリートとして扱われますが、一方、D値が低い者は大気汚染が深刻な下層区にしか住めず、出世などはほとんど望めません。

そればかりでなく、D値が低い者は『ローディ』と呼ばれ、様々な偏見や差別の対象となることもあります。

このD値ですが、真相は『竜との遺伝子的親睦率の高さ』を計った値です。

人間としての最高値は1/4とされます。

D値が1/4。実はこれが本作のサブタイトルにもなっている『ドラゴンクォーター』です。

シナリオではそんな感じですが、

私達プレイヤー側にとってD-RATIOは、やり込み要素にも直結しています。

つまりゲームクリア時に、

クリアまでの時間やセーブ回数、EXターン獲得率などのさまざまな条件を満たすことでこの数値が変化し、上昇させる事が出来ます。

D値は主人公リュウの本来の数値である1/8192から始まり、

最高値は1/4まで達成させる事が出来ます。このD値が上昇すると、2周目以降のプレイで進入できるフィールドが増えたり、新たな場面が追加されるなどの変化が起きます。

一度上昇したD値が低下することはありません。

 

 ・共同体。
色々ハードな設定な今作ですが、共同体は従来作品同様、登場します。ここのみ、本作で唯一ほっと出来る所と言っても過言ではありません。

街にいる妖精に話しかけるか、『フェアリドロップ』というアイテムを使用することで共同体へ移動できます。

共同体ではアリの姿をしたディク(作中世界でのモンスター的な存在を指す言葉、デザインド・クリーチャーの略です)を作業員として雇用し、アリの巣を掘るように地中を掘削することで共同体を拡張していきます。

発見された空間には市場や研究所・銀行など、様々な部屋を設置できて、共同体の市場でのみ入手できるアイテムやスキルもあります。また、どこかに隠しダンジョン『ココン・ホレ』があります。

共同体運営とこの隠しダンジョン攻略も、このゲーム攻略にとってかなり重要な要素の1つです。

 

・セーブ。
様々な場所に『テレコーダー』と呼ばれる公衆電話のような設備が設置されており、セーブはこのテレコーダーを使用して行います。

なんでこんなのをわざわざ取り上げているかというと、

テレコーダーを使用してセーブを行うためには、『セーブトークン』というアイテムが必要になります。

一応、テレコーダーでのセーブとは別に中断セーブ機能も搭載されていて、こちらはセーブトークンのようなアイテムを必要とせず、フィールド上でいつでもセーブできますが、次にゲームを開始した際に、中断セーブの内容は消去されます。

そして作成できるセーブデータは、メモリーカード1枚につき1つのみで、また、作成したセーブデータは他のメモリーカードに複製できません。

 

 ・重苦しく絶望的なムードが延々漂う地下世界。

本作品の舞台は、近未来的な大深度地下都市です。近未来的と言っても美しく希望に満ちた方でなく、絶望的な方の近未来感です。

大昔に発生した災厄により、地上は瘴気に覆われたので、この瘴気から逃れるため、人々は大深度地下都市を建造、空を閉じて地下へ移住しました。

それから幾世代もの時が流れ、地下世界は大気汚染や施設の劣化、D値による差別や非人道的な研究、反政府組織の活動などさまざまな歪みを抱えて疲弊しており、人々はかつての人々が当たり前に目にしていた空など忘れ去ってしまっています。

大深度地下都市はいくつかの階層に分かれており、下層区街・中層区街などの居住区があります。D値の高い者は上層への居住を許されますが、D値の低い者は衛生状態が悪い下層での生活を強いられています。また、居住区外は野生化した凶暴な生命体・ディクが徘徊しています。

そんな世界を上へ上へ、空を目指すのがリュウの旅の目的です。

 

・主人公リュウ

シリーズ共通して主人公の名前であるリュウの名を持つ少年です。声ももちろん山口勝平さんです。

従来作品シリーズ主人公のリュウは、基本的に言葉を発せず、最低限の意思表現にとどまり、どういう話し言葉かはプレイヤーの想像の範疇でしたが、

本作では、台詞でもって自分の言葉で自分の意思を話す主人公となりました。これにより、より一層、彼の強い覚悟や信念を感じとる事ができ、感情移入しやすくなりました。

D値が名前の後ろに付けられる作中世界では『リュウ=1/8192』と表現されます。

この数値は作中世界において、お世辞にも良い値ではないので、出世の見込みなどほぼありません。

下層地区の治安を守るサードレンジャーとして相棒のボッシュと任務をこなす日々でしたが、ある任務の際、廃棄ディク処理施設で磔にされていた竜・アジーンとリンクして竜の適格者となりました。

そしてボッシュとはぐれ、レンジャー基地に戻る途中でニーナやリンと出会い、行動を共にする事になります。やがてニーナに秘められた重大な秘密を知り、彼女を救うため、ニーナを連れ、空を目指すことを決意します。

つまりぎゅっと要約すると『女の子のため』という動機になり、一見軟弱な理由にも見えますが、

しかし、このBOF5の世界において、全く軟弱などではなく、かつこのリュウとニーナの場合は全力で応援したくなる事必至です。


・ヒロイン、ニーナ。
もちろん氷上恭子さんが声をあてておられます。
ディクに誘拐されそうになっていたところをリュウに救助された少女です。正確な年齢は不明なのですが、見た目には小柄で細身、今にも倒れそうな、かなりはかなげな容姿の少女で、

ほとんど言葉らしい言葉を話す事が出来ません。しかし理解は出来ているので、意思もはっきりしています。

特徴的なのが、背中から赤い翼のようなものが生えている事で、

これは汚れた空気を吸い込んで清浄化する換気肺(ベンチレータ)と呼ばれるもので、バイオ公社で人体改造を施された際に取り付けられたものです。また、言葉が話せないのも、物が喋る必要はないという判断で声帯を除去されたという悲惨な理由です。

彼女がそういう人体改造を施されているのは、地下世界の汚染されまくった空気を浄化するプロジェクトによるもので、

更にこのニーナの換気肺は既に汚染しきっており、この空気の汚れた地下世界では、もはや余命幾ばくもない状態である事が判明します。それを知ったリュウは、まず、この地下世界でニーナを救う手段は無いか模索、しかしそれはもはや存在しなかったため、彼女を救うために『空』に望みを賭け、『空』を目指す事を決意するのです。

 

・リン。

反政府組織トリニティの女性エージェントで、尾のようなものが生えていて、恐らく従来作品で野馳せり族とか呼ばれてた種族の方だと思われます。

反政府組織であるため、政府発行のD値は抹消され、『リン=XX』と表現されます。

この過酷な地下世界において、パーティーメンバーはリュウとニーナと彼女の3人のみなので、

本当にありがたく、戦力的にも精神的にも頼りになる存在です。

 
・本作グロ担当ボッシュ

リュウと共に下層地区を担当するサードレンジャーの少年として登場し、しかも『2』で主人公リュウの相棒であったボッシュの名を持ち、かつ序盤はパーティーメンバーであるため、まさかあんな事やこんな事になるとは初見では全く想像できないキャラクターでした。

まさに、プレイヤーの予想を裏切るキャラクター設定と言えるでしょう。

そして本作屈指のグロ担当だと思います。

大体彼が出てくると身体的にも精神的にもグロいものを見せられる事になります。

詳述は避けますが、ざっくり言うと彼自身が鬱要素と深い闇と狂気で彩られたような感じです。

ボッシュは『1/64』のD値であり、これは作中でもかなり高い数値とされています。つまり、生まれた時から将来が約束されているエリートですし、

かつ彼の父親は『統治者(メンバー)』という作中世界の頂点である組織の一員であるというかなり特別な存在です。

これだけ書くと到底、鬱とか闇とか関係無さそうなのですが…。

リュウ固執し過ぎたせいで色々闇堕ちしていったようにも見えますが、

父親から過度な期待から、もはや虐待レベルの厳しすぎる教育を受けていた事実が何かのシーンで語られていたと思うので、子供の頃から心が壊れてしまっていて闇に染まっていたとも言えます。

それはさておき、作中キャラクターの中でも人気のキャラクターだと思います。恐らく特に腐女子から。

作中では己の身を変貌させる程に、まさしく身も心も削りながら、とにかくリュウを殺す事に執念を燃やしていましたが、

お腐りの手にかかればただのヤンデレになっていたのをよく見かけたものです。

 

 ・ことほどさように…。

バトル面のシステム紹介はほぼ省きましたが、従来作品との違いや、異端児ぶり、シビアさが少しでも伝われば幸いです。

でももっと伝わってほしいのは、一時的にでも投げ売り価格にまで落ちたとはいえ、

それでもこの作品は黒歴史などでは全くなく、ブレスオブファイアシリーズの1つであり、深く長く愛せる世界観、シナリオ、ゲームシステムを持ったとても面白い作品であることです。

色々再プレイしたいゲームはありますが、特に改めてプレイしたい作品の1つです。

しかしながら、今現在の私は面倒な事が多い現実世界からの逃避の手段としてゲームをプレイしていて、

『ゲーム=ストレス発散』であるため、ぴりぴり緊張感をもって臨まなくてはならなかった想い出が大きいBOF5はなかなか挑み難く、敷居がやや高いというのも認めたくはありませんが、やはり事実なのです。

でもいつかきっと絶対またやりたいです。